2020 Fiscal Year Research-status Report
難治性褥瘡への多職種在宅褥瘡ケアのマネジメントに向けたアセスメントツールの開発
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19K19740
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (20584337)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 訪問看護 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、「難治性褥瘡への多職種在宅褥瘡ケアのマネジメントに向けたアセスメントツール」開発に向けて、在宅療養者における難治性褥瘡の治癒遅延要因の特徴、訪問看護師が行う、難治性褥瘡への多職種褥瘡ケアに向けたアセスメントおよびケアのマネジメント内容を明らかにすることを目的に研究を進めた。 在宅療養者における難治性褥瘡の治癒遅延要因の特徴を明らかにすることについて、Covid19の感染拡大により、当初予定していた在宅療養者への皮膚生理学的指標値の収集が不可能であった。そこで、昨年度に研究者が実施した、高知県下の褥瘡を保有する在宅療養者の実態調査結果、本研究着手前に研究者が得たデータおよび先行研究により在宅療養者における難治性褥瘡の治癒遅延要因の特徴を考察した。その結果、対象特性として、加齢に伴う疾患(高血圧や骨折など)、低栄養および日常生活動作能力の低下があげられ、皮膚生理学的指標特性として、低い皮膚弾力値および薄い仙骨部皮膚厚があげられた。 訪問看護師が行う、難治性褥瘡への多職種褥瘡ケアに向けたアセスメントおよびケアのマネジメント内容について、2名の看護師から、難治性褥瘡を抱える在宅療養者に対し多職種でかかわった3事例について、ケアの実際についての情報を収集し、分析した。その結果、訪問看護師は、保有褥瘡の状態・褥瘡危険因子および生活状況のアセスメントを行い、ケアマネジャーを中心に多職種で話し合い、医療保険と介護保険を効果的に組み合わせてケアをマネジメントしていることがわかった。今後、難治性褥瘡を抱える在宅療養者に対し多職種でかかわった事例のケア経過についての情報を追加収集し、「難治性褥瘡への多職種在宅褥瘡ケアのマネジメントに向けたアセスメントツール」開発につなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid19の感染拡大により、当初予定していた在宅療養者への皮膚生理学的指標値の収集が不可能であった。そこで、昨年度に研究者が実施した、高知県下の褥瘡を保有する在宅療養者の実態調査結果、本研究着手前に研究者が得たデータおよび先行研究により在宅療養者における難治性褥瘡の治癒遅延要因の特徴を考察した。訪問看護師へのインタビュー調査も同様に、Covid19の感染拡大により、インタビュー調査が行えた訪問看護師は2名にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
高知県では、Covid19の感染者数は減少しているものの、訪問看護ステーションに出向いて対面でのインタビュー調査は非常に困難である。オンラインでのインタビュー調査にて、今後、対象者数を増やす予定である。
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Causes of Carryover |
在宅療養者および訪問看護師への調査ができなかったため、データ収集のための旅費や謝金が発生しなかった。また、学会もオンライン開催となったため、旅費が発生しなかった。次年度は、訪問看護師への調査を行うため謝金に使用するとともに、Web調査に必要な物品にも使用する予定である。
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