2022 Fiscal Year Annual Research Report
難治性褥瘡への多職種在宅褥瘡ケアのマネジメントに向けたアセスメントツールの開発
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19K19740
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (20584337)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在宅療養者 / 褥瘡 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、高知県下の褥瘡を保有する在宅療養者の実態調査を行い、在宅療養者における難治性褥瘡の治癒遅延要因の特徴をさらに明確化するためのデータを得た。 高知県内の訪問看護ステーション81施設、および、医療機関の訪問看護部門15施設の合計96施設に調査表を配布し、2022年6月から9月に、各施設で設定した1日を調査日とした。高知県下の訪問看護ステーション46施設(回収率56.8%)、訪問看護部門7施設(回収率46.7%)の計53施設(回収率55.2%)から調査表が返送された。褥瘡有病率は2.17%であった。在宅褥瘡患者60人のデータが収集された。平均年齢は79.9±13.4歳(±SD)であった。在宅褥瘡患者が保有する褥瘡を合計すると78個であった。保有褥瘡78個について、全層皮膚欠損レベルであるStage3以上の深い褥瘡が31個(61.5%)と最も多かった。また、Stage3以上の深い褥瘡において、6ヶ月以上の長期間保有されている創部、感染徴候のある創部、再発の創部が存在していた。在宅褥瘡患者は、糖尿病、高血圧、心疾患というような高齢者に多い慢性疾患を有し、低栄養で貧血の状態を呈していた。また、便失禁、尿失禁および活動性の低下も有していた。 以上より、在宅褥瘡患者の治癒遅延要因として、糖尿病、高血圧、心疾患というような高齢者に多い慢性疾患を有し、低栄養で貧血の状態を呈しているという患者側の要因、高齢の在宅療養者への体圧分散ケアの困難さ、失禁管理の困難さというケア提供者側の要因があると考えられた。
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