2022 Fiscal Year Annual Research Report
へき地のソーシャル・キャピタルを「8050」世帯の支援に活かす介入研究
Project/Area Number |
19K19743
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
田場 真由美 名桜大学, 健康科学部, 教授 (90326512)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 8050 / へき地 / ソーシャル・キャピタル / 保健師 / 精神疾患 / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はへき地の「8050」世帯を地域で支える地域づくりの提案である。①「8050」の事例集と研究県の地域の「8050」の事例の特徴比較を行い、その違いについて学習を深めた。他県の事例では、大学入試や希望先に就職できなったバブル期の影響を受けた事例が多いが、本県の事例は、高校中退や学業不振の課題がみられ、社会経済の影響よりも精神疾患や学業不振、生活困窮に影響されていた。 ②へき地の保健師4名を対象に「8050」世帯への支援経過や思いについてインタビューを実施した。その結果、4名に共有していたことは「50代の子が精神疾患(統合失調症、アルコール依存症など)で多職種・他機関との支援会議及び情報共有を継続的に当事者(50歳代)と親の思いと受け止め支援していた」ことである。しかし、へき地であるがゆえに、障がい者福祉サービスと親への介護保険サービスが不足し、どちらかの疾患の悪化により、他地域の入所施設に転居する家族がみられた。公的サービス不足は本人らの望む生活が継続できない実態があった。 ③地域包括支援センター職員からの「8050」世帯や独居高齢者世帯の状況の聞き取りにおいて、各高齢者が転出または死亡したことで、「8050」世帯では残された方のみの独居生活後に空き家となった建物がいくつかあり、その庭の草木が住民に迷惑をかけており、健康のみに偏った地域づくりではなく、空き家になった後の環境を含めた互助を醸成できる地域づくりを目指す必要性の声があった。 ④へき地で生活を送っている「8050」世帯の親の思いの聞き取り調査をし、親亡き後のニーズを活かした地域支援する体制づくりを目標にしている。しかし、COVID-19 感染拡大の影響により高齢者宅への訪問は厳しく、現在は、訪問調査前の調整の段階である。令和5年10月ごろまで調査と個別事例(家族)の支援体制モデル案を作成する予定である。
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