2020 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of incident reporting system in Japanese home visit nursing agencies
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19K19746
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 なつ紀 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教(有期・研究奨励) (80835851)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 医療安全/患者安全 / インシデント報告システム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、全国訪問看護事業協会正会員リストに記載されている訪問看護ステーション(約6,000か所)から、無作為に1,000か所を抽出し、訪看ST管理者を対象に、質問紙を配布する計画だった。 しかし、2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大により、地域医療を支える訪問看護ステーションも感染予防等の対応に追われており、質問紙調査の実施は対象の負担となると考えられた。 そこで、次年度に質問紙調査の実施時期を変更し、本年度は関東圏の訪問看護師3名を対象に、Zoomを活用したオンライン会議を通して、配布予定の質問項目の精選・修正を行った。特に、これまでの研究で明らかになっている、訪問看護師が発生した「利用者の安全に関わる出来事(Patient Safety Incident:PSI)」を、①事故、②インシデント、③事故/インシデントではないPSIのいずれと報告するか、の判断に関わる主な要因【a. 発生状況(訪問時/非訪問時)、b. 行為者(訪問看護師/利用者・家族/その他)、c. 影響度(予定外の往診や受診・入院を要した/自宅で対応できた)】を踏まえた、訪問看護師の報告形態のアルゴリズムを、情報共有システム開発時に実装できるよう、当該項目について多くの検討を行った。 また、インシデントレポートシステムに関する文献検討を行い、レポートの障壁(報告すべき事例の定義が明確でない、報告者情報の保護、報告項目が煩雑)を踏まえたシステム構造の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
19年度に、訪問看護師を対象としたインシデント情報共有システムの試運転ならびに、その後のインタビューを通して、インシデント情報共有システムの項目精選やシステムの微調整を行った。続く20年度に予定していたインシデント報告システムの現状や、訪問看護ステーション間の情報共有ニーズに関する質問紙調査は、COVID-19の感染拡大の影響を受け、実施困難となった。 21年度は、全国訪問看護事業協会正会員リスト(住所)の調査利用可否の確認、配布予定の質問紙作成が終了し、2021年9月での調査実施に向けて、所属機関の次回倫理審査へ申請予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
21年度は、全国訪問看護事業協会正会員リスト(住所)の調査利用可否の確認、配布予定の質問紙作成が終了し、2021年9月での調査実施に向けて、所属機関の次回倫理審査へ申請予定である。 なお、当初無作為抽出で1000か所を予定していたが、これまでの知見蓄積の少なさ等を考慮し、できる限りの現状把握を目指すため、2021年3月時点で全国訪問看護事業協会正会員に登録されている訪問看護ステーション6,715か所すべてを調査対象とする予定である。 上記質問紙調査と並行する形で、インシデント情報共有システムの試用と効果評価を行うため、フィールド調整を行う予定である。
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Causes of Carryover |
20年度に予定していたインシデント報告システムの現状や、訪問看護ステーション間の情報共有ニーズに関する質問紙調査は、COVID-19の感染拡大の影響を受け、実施困難となった。 そのため21年度は、2021年3月時点で全国訪問看護事業協会正会員に登録されている訪問看護ステーション6,715か所すべてを調査対象とした質問紙調査を実施予定である。 この質問紙調査に際して、調査関連書類の印刷や返送用封筒(料金後納郵便)の作成、調査票の郵送などに研究費を使用する予定である。 また、21年度もインシデント情報共有システムの開発を引き続き行うにあたり、システム開発料としても使用を予定している。
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