2019 Fiscal Year Research-status Report
専門性の高い看護師の訪問看護師への症状マネジメント支援:効果検証とシステム開発
Project/Area Number |
19K19759
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 麻衣子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60734530)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 訪問看護 / 専門性の高い看護 / 症状マネジメント / 褥瘡 / 緩和ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門性の高い看護師による、症状マネジメント困難事例に関する訪問看護師への支援の効果を検証すると共に、訪問看護師が専門性の高い看護師を探索し相談可能なシステムの開発・試行・評価を通してシステムの普及方法について検討することを目的とし、以下の2つの研究を実施する。 【研究1】専門性の高い看護師による、症状マネジメント困難事例に関する訪問看護師への支援の効果を明らかにする。(令和元年~2年) 【研究2】訪問看護師が専門性の高い看護師へ支援の依頼が出来る相談システムの開発・試行を行い、普及方法を検討する。(令和2年~3年) 令和元年度は、研究1の一部として、専門性の高い看護師による支援のニーズについて、訪問看護ステーション管理者を対象とした調査を実施した(分析対象者70名)。調査の結果、専門性の高い看護師からの支援を受けたい内容としては、皮膚疾患や褥瘡ケア54 名(77.1%)、精神疾患のケア42 名(60.0%)、がん緩和ケア40 名(57.1%)、認知症ケア34 名(48.6%)、摂食嚥下障害のケア30 名(42.8%)であった。自由記述からは、具体的にどのような手順で支援を受けられるのかわからないという声も多く聞かれた。 訪問看護ステーション管理者が支援を受けたい領域が示された。皮膚疾患や褥瘡ケア・緩和ケアの症状マネは、専門性の高い看護師による支援が診療報酬上も評価されている一方、相談窓口が存在しないことが大きな課題となっていることが、改めて示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、予備調査を実施した点は計画に沿って行えたが、当初想定していた非ランダム化比較試験(追跡期間1年)については、令和2年度以降の実施となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度以降は、研究計画に合わせて、研究1及び研究2を遂行していく。 【研究1】 令和元年度の調査の結果、症状マネジメント困難な褥瘡や緩和ケアに関する専門性の高い看護師による支援のニーズは高かった。今後の発展を目指し、これらの専門性の高い看護師による支援を受けることによる効果検証を進めていく。非ランダム化比較試験の協力者を募り、研究を行っていく。 【研究2】 研究1と並行して、訪問看護ステーションと専門性の高い看護師のマッチングシステムの検討を開始する。システムの開発にあたり、訪問看護師及び専門性の高い看護師を対象にしたフォーカルグループインタビューを実施し、社会実装可能なシステムの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
令和元年度の実施計画の一部が令和2年度に移行したため、次年度使用額が生じた。昨年度実施予定だった一部の計画については、令和2年度に実施していく予定である。
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Research Products
(1 results)