2022 Fiscal Year Research-status Report
専門性の高い看護師の訪問看護師への症状マネジメント支援:効果検証とシステム開発
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19K19759
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野口 麻衣子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (60734530)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 訪問看護 / 専門性の高い看護 / 症状マネジメント / 褥瘡 / 緩和ケア / 効果検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門性の高い看護師による、症状マネジメント困難事例に関する訪問看護師への支援の効果を検証すると共に、訪問看護師が専門性の高い看護師へ支援依頼が出来る相談システムの開発を行い、その試行・評価を通してシステムの普及方法を検討することを目的としている。今年度は、研究1:専門性の高い看護師による、症状マネジメント困難事例に関する訪問看護師への支援の効果を明らかにする、研究2:訪問看護師が専門性の高い看護師へ支援の依頼が出来る相談システムの開発・試行を行い、普及方法を検討するの2段階で研究を行う。 令和4年度は、研究2の相談システムの開発・試行を行った。具体的には、1事例に関して1か月ごとの相談を計3回実施、相談システムの設計し、11事例の相談を行った。そのうち、個別事例の相談である9事例を分析対象とした。 対象者の属性は、平均年齢37.6歳、全員女性、訪問看護経験年数は5年未満が4名、5年以上19年未満が3名、20年以上が2名だった。相談内容は、褥瘡関連6件、ストマ関連2件、腎瘻管理1件に関してはWOC認定看護師との相談を設定し、意思決定支援1件についてはがん看護専門看護師への相談を設定した。 相談回数は1事例につき3回実施し、相談時間の平均は1回目43.0分、2回目28.3分、3回目23.6分であった。9名中8名が相談前の症状が改善されたと回答した。不変と回答された1例は、意思決定支援の相談であった。看取り間近のご本人及びご家族の調整について、相談を行ったが、現状の意思決定支援内容が適切であろう、ということで、訪問看護師による関わりに大きな変化がなく、ご本人・ご家族もお看取り間近ではあるが看取りの現状を受け入れられていない状況が変わらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、調査が中断し、相談システム開発が遅れていた。しかし、COVID-19の影響が少なくなってきたため、今年度から相談システムを開発し、試行を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施している相談事例のデータを分析し、効果検証を行う予定である。また、本試行を踏まえ、相談システムの今後の普及方法についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、当初予定していた調査が中断し、相談システム開発が遅れていた。しかし、COVID-19の影響が少なくなってきたため、令和4年度に相談システムを開発し、試行を実施できた。令和5年度は、実施している相談事例のデータを分析し、効果検証を行う予定である。また、本試行を踏まえ、相談システムの今後の普及方法についても検討する予定である。
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