2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者ケア施設における本人・家族・専門職が協働するACP看護支援モデルの構築
Project/Area Number |
19K19764
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中村 円 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (10737505)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 意思決定 / 意思決定支援 / アドバンス・ケア・プランニング / エンド・オブ・ライフケア / 高齢者 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、看護職が行う意思決定支援およびアドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)の実態を明らかにし、看護実践の構造に基づいたACP看護支援モデルを構築することである。 2020年度の研究実績として、高齢者の生活の場における意思決定の概念分析を行い、学会発表を行った。高齢者の生活の場での意思決定では、他者の支援を要する生活の中でも自律心を持って自分がどうありたいかを表明し、自己決定したい意欲をもって意思を実現しようとしていることが推察された。このことは先行研究では示されていない新しい構成概念であると考えられた。 概念分析を行ったことにより、治療選択にとどまらない、高齢者の生活の場における意思決定のプロセスの実際を明らかにし、看護職に求められる支援を明確化する必要があることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の最終目的である看護支援モデルを構築するためには、高齢者の生活に焦点を当てた意思決定がどのようなプロセスでなされているのか、そして看護職としてどのような支援が求められているのかを明らかにする必要性がある。そのため、第一段階として高齢者本人を対象とした調査に着手する必要があり、全体の進行に遅れが生じている。 さらに、COVID-19の影響を受け、高齢者ケア施設へのアクセスができない状況にあるため、対象を在宅ケアを受ける高齢者に変更せざるを得ない事態が生じた。しかし、感染状況の拡大を受け、リクルートに難渋している現状があり、研究計画に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の推進方策は、以下を計画する。 ①研究対象を在宅ケアを受ける高齢者に変更し、意思決定プロセスに関するデータ収集および分析を行う ②上記①の結果から必要とされる看護支援を抽出する ③上記②にもとづき、看護職を対象に看護実践に関するインタビュー調査を行う スケジュールとしては、①および②を12月まで、③を2月までに遂行する予定とする。 なお、2021年度の成果の公表は、6月までに概念分析の論文執筆および投稿、①②の途中経過を9月または12月の国内関連学会で発表を予定する。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響を受け、参加予定の学会や研究打ち合わせが中止またはオンライン開催となり、旅費の支出がなかったため。 また、同様の理由で研究対象者のリクルートが進まず、謝金の支出が少なかったため。 次年度は、収集したデータを分析する際の研究打ち合わせで旅費を使用する。また、成果をまとめ、開催予定の学会での発表にかかる費用、論文投稿にかかる費用の支出を計画する。
|
Research Products
(3 results)