2022 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者の社会貢献による生きがいづくりを推進する看護実践モデルの開発
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19K19769
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
砂川 ゆかり 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (00588824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 要介護高齢者 / 社会貢献 / 看護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国のめざす“地域共生社会”は、ノーマライゼーションの理念や完全参加と平等の実現に向かうことであり、要介護高齢者を含めたすべての高齢者が相互に支え合う構成員として期待されなければならない。しかし、要介護高齢者は、心身機能の低下や迷惑をかけたくないなどの理由からやりたいことを諦めやすい状況にある。地域共生社会の実現にむけて、要介護状態であっても、支援により社会貢献する存在になることが必要である。本研究の目的は、看護職者の介入により要介護高齢者の社会貢献をみいだす看護実践モデルの開発に挑戦することである。 令和元年度~令和3年度は、アクションリサーチで要介護高齢者の社会貢献への支援に取り組んだ。その結果、看護師は【苦悩に寄り添い共揺れ】することにより信頼関係を得ていた。そして、【真のニーズを捉える感受性】を研ぎ澄まし、【取り巻く人々の力を借り実践の継続】をすることでその人らしさを見いだし、【当事者は実践を磨く協奏者】として共にケアを創造するという、らせん状の発展段階を得て、要介護高齢者のモチベーションを高めて社会貢献につなぐ構造があった。令和4年度は、要介護高齢者の社会貢献をみいだす看護実践モデルを実践現場に普及するための課題について整理した。支援を普及するための課題として《ケアが患者‐看護師関係で自己完結して発展しない課題》、《社会に期待される役割と個別支援のギャップを埋めることの課題》があった。看護職者の要介護高齢者のよりよい暮らしを志向するという個別支援の強みが活かせるよう、協働で実践経験を積み重ねることを通してケア文化を育んでいくこと、協働での取り組みを通して、実践現場に馴染む看護実践ガイドを作成することが必要である。
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