2019 Fiscal Year Research-status Report
病院内の高齢患者における社会的フレイルに関する指標の開発-社会的交流の報告-
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19K19770
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
江藤 祥恵 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70803493)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会的フレイル / 社会的交流 / 高齢者 / 高齢患者 / 入院 / 病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は「高齢患者の社会的フレイルに関するシステマティックレビュー」を行う予定であった。しかし、「高齢者」「入院患者」「社会的フレイル」での検索結果は0件と、高齢患者に関する社会的フレイルの報告はなかった。フレイルについては地域在住高齢者での研究が進んでいるため、地域在住高齢者における研究の進捗状況を調査し、高齢患者に対する社会的フレイルのキーワードとして活用できるか探った。 「地域在住高齢者の社会的フレイルに関する国内文献レビュー」として、文献検討を行った。キーワードは「高齢者」、「社会的フレイル」とし、データベースは医学中央雑誌(以下、医中誌)、CiNiiを使用した。検索の結果、医中誌では59件、CiNiiでは16件が抽出された。うち11件は重複のため除外した。タイトルとアブストラクトから医中誌は44件、CiNiiは3件が抽出された。論文の種類は解説もしくは特集、総説が24件、会議録もしくは症例報告が19件、原著論文が4件であった。社会的フレイルの指標について、地域活動や友人・近所づきあい、独居、ソーシャルサポート(LSNS-6)、Trrilburg frailty index、毎日の会話がないなどが使用されていた。社会的フレイルと関連のある項目は、身体的フレイルの予防、要介護度、年齢、閉じこもり、ソーシャルキャピタル、筋力低下であった。総説や解説、特集の多くは社会的フレイルの定義や指標の検討の必要性を述べていた。 地域在住高齢者における社会的フレイルの国内報告は少なく、その定義や指標、アウトカムは検討段階であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は社会的フレイルについて、入院している高齢者(以下、高齢患者)における評価指標やアウトカムを明らかにするために、システマティックレビューを行う予定であった。しかし国内の研究報告では、高齢患者における報告はなく、定義や評価指標の検討ができない状態であっため、当初の予定であったシステマティックレビューの実施には至らず、やや遅れている状況である。 以上の理由から、今年度の文献検討については、地域在住高齢者にける社会的フレイルの研究を調査することで、定義や評価指標、アウトカムを明らかにし、高齢患者の社会的フレイルの評価指標やアウトカムの参考にすることとした。今後、国外データベースでの文献調査を行う予定であり、当初の予定よりやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、2年目には高齢患者へのインタビューを実施する予定であった。しかし、「現在までの進捗状況」に記載のように、やや遅れている状況であるため、2年目は、まず①海外文献の調査を実施し、国内外の研究から、地域在住高齢者における社会的フレイルの指標を明らかにしたい。 次に、①により示された指標を参考に、②高齢患者の社会的フレイルに関する文献検索のキーワードを決定し、文献検討を行う。これにより高齢患者の社会的フレイルの要素を抽出する。 抽出された要素を参考に、③高齢患者に対するインタビューガイドにしたいと考える。インタビューは当初の予定でも2年目の研究計画となるため、インタビューの実施まで推進したい。インタビューについては地域包括病棟、もしくは回復期リハビリテーション病棟に入院している高齢者を対象に、入院に伴う社会的フレイルや社会的交流の減少に焦点を当てて、実施する。
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Causes of Carryover |
研究計画調書応募当時の勤務先から、助成初年度の勤務先が変更になったことにより、当初の予定で初年度に購入予定であったデスクトップパソコンの購入が必要なくなったため残金が生じた。 次年度は、地域在住高齢者の社会的フレイルに関する国外研究の文献検討、国内外研究の文献検討をもとに明らかにした社会的フレイルの指標に関する論文の投稿、高齢患者への社会的フレイルに関するインタビュー調査を実施する予定である。 このため、次年度は海外文献依頼費や論文投稿費、高齢患者・協力者への謝金、通信費を追加する計画である。
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Research Products
(1 results)