2019 Fiscal Year Research-status Report
児童や前期高齢者に向けた整理整頓教育プログラムの開発と健康影響への効果評価
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19K19771
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Research Institution | Tsukuba International University |
Principal Investigator |
麻生 保子 つくば国際大学, 医療保健学部, 教授(移行) (80509646)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ため込み症 / 重症化予防 / 保健福祉職の役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域生活者の生活の質を高めるために、清潔で機能的な生活空間を整える事が重要である。特に在宅での生活時間が長い乳幼児や学童、高齢者は、家屋内での事故(誤飲や転倒・転落)の他、アレルギー関連疾患など住居環境による健康影響を受ける事が多い。これら対象者の住環境を整えるためには、対象者本人のみならず、同居家族への住居衛生に関する教育や自ら環境を整える事が困難な対象者への支援が重要である。 2013年にアメリカ精神医学会で診断基準が明確となったHoarding disorder(日本名:ため込み症)患者の多くは10代で発症し、加齢とともに重症化することが明らかとなっている。 ため込み症に至らなくとも、慢性的に片づけられない状況によるストレスを抱えた方は多く、ため込み行動自体は非臨床レベルから臨床レベルまで連続体を示す。 既存研究の動向を見ると、ため込み症患者の特徴や認知行動療法等、臨床例への対応や、疫学等に関する研究が多い反面、早期発見や重症化予防、生活環境の調整に関する研究は少ない。ため込み症に至る前段階で、対象者を早期に発見し、重症化予防する取り組みや保健医療福祉職の果たす役割について、国内外の既存の文献を調査した。その結果、母親の養育の特徴とため込みの発症の危険性から、ため込みのある母親や家族ベースでの支援が必要である事や、高齢者対象の重症化予防の支援としては、回想法による効果などが示された。また、ため込み症患者を地域で支えていくための保健医療福祉職の役割として、関係機関へため込み症は支援が必要な状態であることを周知する役割や、家族や近隣、関係機関と協力関係を築き、環境を整える必要性が示された。それはため込み症患者自身および家族や近隣住民の精神・心理的ストレスを調整し、強いては対象者の発症・重症化予防をはかる可能性となる事が示されていた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度として行う、文献検討は概ね順調に行えた
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Strategy for Future Research Activity |
我が国における整理整頓教育(特に生涯学習や学校保健)における実態調査を行う。また、整理整頓教育や予防的取り組み、重症化予防対応を行う先進事例に関するインタビュー調査を行う予定である。 インタビュー調査実施にあたり、新型コロナ感染症拡大防止に向けた対面のインタビューが行えない場合は、適宜web会議システム等を活用し調査を行う。また、質問紙調査においてはメールやインターネット調査を適宜活用し、研究の推進を図る。
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Causes of Carryover |
見積りを取る段階で、できるだけ安価な方法で購入できる方法を選択した。翌年度文献取り寄せ経費等に使用したい。
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