2020 Fiscal Year Research-status Report
実行機能課題と小型センサを用いた転倒スクリーニングデバイス開発に関する基礎研究
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19K19772
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松田 憲亮 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (40549961)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 実行機能 / 姿勢制御 / 定量的評価 / 認知機能 / 転倒予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康寿命の延伸の為、効果的な介護予防事業が期待される.その為、認知症や転倒に関する的確なスクリーニングが重要であると考える.近年、認知機能の1つである実行機能は、歩行の調節にも関与することが報告されており、高齢者の実行機能低下は、転倒との関連性に深く関与する.本研究は、1)臨床応用可能な小型センサと実行機能に関わる課題を用いて、 課題中の立位姿勢制御を定量的評価すること、2)実行機能に関わる課題中の立位姿勢制御の測定値について、転倒予測指標として利用可能であるかを検証することである. 初年から2020年7月までの期間、COVID19感染拡大の影響もあり、研究データ取得ができない状況であった.2020年8月-2021年2月の期間中、研究目的1)に当たる臨床応用可能な小型センサと実行機能に関わる課題を用いた課題中の立位姿勢制御を定量的評価方法のデータ取得を開始した.対象者は若年成人20名とし、対象者の基本情報取得および実行機能の働きを反映する課題を用いた課題反応時間から実行機能の指標を測定およびデータ取得を実施した.また、実行機能課題中の立位保持および立位足踏み課題を実施し、同時に下肢の関節運動量を計測するため、小型センサによる計測と計測値から定量的な関節運動量の算出を実施している状況にある.しかし、2月以降、計測対象者との接触が不可能となり、データ計測および追加のデータ取得ができない状況にある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
若年成人を対象とした予備研究を繰り返した結果、静止立位における重心動揺や関節角度量の計測において、計測機器の精度が低いため、微細な計測値のデータ取得困難であった.その為、計測条件設定として、メトロノームを使用し、一定リズムでの足踏み条件下におけるデータ取得に修正した.現在、若年成人20名を対象とし、実行機能課題有・なし条件下における重心動揺の計測および股関節・足関節の角速度を計測した.また、取得データである角速度から関節運動量を算出するためのデータ解析を実施している状況にある.しかし、2月初旬からCOVID19感染拡大の影響により、対象者との非接触を余儀なくされており、データ取得の追加ができない状況が継続している.これらを背景に予定よりも研究進行が当初よりも遅くなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在、所属機関が所在する地域は緊急事態宣言下にあり、解除後、若年成人のデータ取得追加および地域高齢者のデータ取得を行っていく.特に高齢者データ取得に関しては、計測環境、計測スケジュール間隔に十分な余裕を持って計画する.高齢被験者募集には、体力測定事業参加者への研究参加募集や学内研究者の支援・協力を仰ぎ、データ取得を円滑できるよう、計画を修正していく.
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Causes of Carryover |
前年度、COVID19感染拡大の影響もあり、研究データ取得ができない状況であった.特に高齢者のデータ取得が困難であったため、人件費を使用できない状況であった。また、学会発表についても、感染拡大の影響を受け、Web上での発表に留まったため、旅費使用が全くなかった状況にあった.これらを理由として、計上額と使用額の差額が生じている. 今年度の使用計画として、高齢者データ取得に関する謝金に加え、学会発表および論文校正に関する費用を使用していく予定である.
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