2024 Fiscal Year Annual Research Report
多様な文化的背景を有する中高年者の生活習慣病の重症化に関連する要因
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19K19776
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
呉 珠響 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (80511401)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 中高年 / 生活習慣病重症化予防 / 多文化共生 |
| Outline of Annual Research Achievements |
日本は現在、異なる出自や文化的習慣を持つ人々の増加とともに、その高齢化も進行している。こうした社会的変化を背景に、文化的背景の異なる中高年者に見られる生活習慣病の重症化に関する要因に着目し、具体的な支援策を検討することが、今後ますます重要な課題となっている。 2024年度は、朝鮮半島にルーツを持ち、なんらかの生活習慣病を有する50歳以上の中高年者を対象としたインタビュー調査の分析を通じて、生活習慣病の重症化に関係する要因の特徴を整理した。この調査は2022年度から2023年度にかけて実施されたものであり、特に重症化に関連する要因のうち、社会関係(社会的ネットワーク)に焦点を当て、健康行動との関係性を探った。その結果、日本社会への統合の困難さ、同胞が運営する医療サービスの利用意向、健康上の懸念を同胞コミュニティ内で解決しようとする傾向、必要時にはコミュニティを通じた行政サービスへのアクセス、医療相談を通じた日本人との関係構築、アイデンティティ上のストレス、そして親の介護をきっかけに行政サービス利用につながる実態などが、生活習慣病を有する朝鮮半島ルーツの中高年者における社会関係と健康行動の特徴として明らかとなった。 これらの結果から、文化的背景や社会的つながりを考慮した支援体制の整備が、生活習慣病の重症化予防に有効であることが示唆された。具体的には、信頼できるコミュニティを通じた情報提供や相談支援、言語や文化に配慮した医療サービスの提供、行政との橋渡しを担う人材の活用などが求められる。
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