2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and examination of interdisciplinary support tool for informed care of older adults with dementia
Project/Area Number |
19K19778
|
Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
山本 由子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (00550766)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 認知症 / 高齢者 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は情報通信機器を用い、認知症高齢者の語りと想起を記録できるツールの開発、および介護福祉施設の協力を得て実際に使用し、運用についての検討を予定した。特に、医療福祉関係者、高齢者との面談が困難な社会情勢が続き、下記の限られた活動成果となった。認知症高齢者ケアの臨床でのニーズは確認できたことから、協力が得られる可能な範囲で実施していきたい。 1)多職種における情報共有ツール開発として、タブレット型デバイスを準備し、日本の戦後1940年代からの風景写真、日本各地の風景アプリケーションソフトを取り入れ、写真などの映像PDF等と対象者の語りが同じページに記録できるツールを搭載した。これらは対象者との対話後に入力し、その後に施設協力者との共有に用いられる。対象となる高齢者との対面が可能な時期が限られたため、実施事例は2例(うち1例は中断)であった。 2)専門職への教育と啓蒙として、福井県内病院において、福祉施設・医療機関等のケア専門職員を対象とした令和3年度介護教育研修「認知症の人と一緒につくるアルバム自分史」講座(対面:充分な感染対策およびPCR検査陰性確認後実施)を担当した(6月28日)。また、地域医療推進機構病院の認知症認定看護師を対象に「認知症の人にとっての自分史」説明会(オンライン開催)を行った(7月4日)。認知症高齢者に携わるケアスタッフからは、概ね「取り入れたい」との意見が聞かれた。 3)専門誌への投稿として、臨床老年看護9・10月号:特集2認知症の予防やケアに活かす回想法・ライフレビュー「認知症高齢者に対するライフレビュー」,Vol.28,pp2-9,日総研出版に掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
認知症高齢者のケアにかかわる多職種連携として介護・福祉施設職員の協力を得ることを前提に計画していた。しかし、COVID-19の感染拡大が長引く中、協力を得られたデイケア施設は1件のみであった。また対策を十分に取った上であっても、対象者の安全が何より優先するため、「緊急事態宣言」および「まん延防止等重点措置」公示下では活動自粛、また対面回数を減らした。さらに、施設職員の協力範囲も限定的な状況となったため遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、訪問ステーションの協力を得て実施する。COVID-19の感染状況が継続する中、通所や外出機会が減少している在宅の認知症高齢者が対象である。対面での会話と想起の記録により個別ニーズをとらえケアに役立てる。訪問看護師、介護士、作業療法士、医師といった多職種間の実際をとらえ、プライバシーと情報セキュリティの面からも検討する。 少人数事例となるが認知症高齢者の語りと態度から、インフォームド・ケアにつながる専門職種間の連携について論文を作成する。
|
Causes of Carryover |
2021年度は概ね予定した金額を使用したが、2020年度の活動が実施できず予算が全額残ってしまったため次年度の繰越金が発生した。 2022年度は、コロナ禍の継続のため外出機会と通所施設利用が限られる認知症高齢者の現状を踏まえ、対象者に在宅で訪問看護を利用者を含めて実施する。既に、情報通信機器端末に搭載しているアプリケーションソフトの維持管理、および複数の協力施設との会議費として30万円を計上する。訪問ステーションから紹介を受け、3~5名の高齢者宅への交通費(1名あたり6~8回)10万円、国内学会参加費として20万円、海外学会(11月開催予定 SFT-22 ブリスベン)参加費30万円を計上する。研究成果は、英文誌への投稿に向けて英文校正投稿費50万円とし、多職種へのインタビュー調査等は20万円、その他経費として286,733円を計上する。 限られたサンプル数であるが、実践から結果を導き、報告と論文化に向けて予算を使用する計画である。
|
Research Products
(1 results)