2023 Fiscal Year Annual Research Report
精神科看護管理者のリカバリー志向を高める取り組み―影響要因へのアプローチから―
Project/Area Number |
19K19779
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
松井 陽子 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (60793031)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リカバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科病院におけるリカバリー志向の実践に向けて,看護管理者のリカバリー志向を高めるための教育プログラムを開発,実施し,評価した。教育プログラムを開発するための基礎的研究(研究1・2)と教育プログラムの実施と評価のための研究(研究3)の3段階で研究を展開した。 研究1・2では,看護管理者のリカバリー志向と精神科病院のリカバリー志向の実践に影響を与える要因を共分散構造分析と概念分析,半構造化面接調査より明らかにした。研究3では,研究1・2の結果と先行研究をもとに教育プログラムを開発,実施し,評価した。教育プログラムは,1回60分程度,月2回,全5回の講義,ディスカッション,講演会,事例検討で構成され,リカバリーに関する知識の習得やピアサポーターによるリカバリーストーリーを聞く体験を含む方法とした。また,組織の文化や風土が看護管理者のリカバリー志向に影響することが明らかになったため,SWOT分析を行い,教育プログラムの内容に反映した。 教育プログラム前後でリカバリー志向に関する尺度であるRAQ-7,RKIの得点は上昇したものの,統計的有意差はみられなかった。 教育プログラムの評価において,面接調査では看護管理者から教育プログラムの構成,内容,資料の適正性が語られた。また,患者のリカバリーを支えたいという思いが芽生えたり,リカバリーに向けた実践を組み込んだ次年度の病棟目標を掲げるなど,リカバリー志向の実践に向けた意識や具体的な行動の変化が見られており,看護管理者のリカバリー志向を高める有用性が示唆された。また,プログラムの中でSWOT分析を実施したことで,対象施設の特徴をふまえた教育プログラムが作成でき,内容妥当性を高められた。 研究1・2においては論文を公表し,研究3においても,論文を執筆し,現在査読結果待ちである。
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Research Products
(4 results)