2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of communit nurse in the health policy for elderly in Thailand
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19K19784
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
須藤 恭子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 看護師 (80458976)
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Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | Community Nurse / 高齢者保健政策 / UHC / 地域包括ケアシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タイ高齢者保健政策におけるCommunity Nurse(CN)の役割を明確にし、CNの活動と地域高齢者の健康との関連を明らかにすることを目的とする。タイはこれまでプライマリヘルスケアを基盤とした保健政策を実践してきたことで、ここ20年で保健指標は大幅に改善した。今後タイの高齢化は急速に進むが、高齢者保健政策もプライマリヘルスケアを継続しつつ保健システムを強化したCommunity-basedで実践される。看護職は身近な専門職として地域で住民の健康を支える役割が大きい。そこで、特にプライマリヘルスケアですでに成功を収めてきたタイのCNが高齢者保健政策において果たす役割及び活動効果に着目した。本研究は、タイのCNの役割から日本の地域包括ケアシステム構築のヒントを導く可能性があり、高齢者保健政策分野における日本とタイの相互協力に貢献することが期待される。 本研究は、タイ高齢者保健政策の活動実績のあるタイ北部の省病院をカウンターパートとして実施する。 本研究の目的は、①タイ高齢者保健政策におけるCommunity Nurse(CN)の役割を明確にする、②CNの活動と地域高齢者の健康との関連を明らかにすることである。 目的①について、先行研究で明らかとなったタイ高齢者保健政策実践の促進因子の因子構造を明らかにし、CNを含む「サービス提供者の役割遂行」因子が他の因子とどのように関連して高齢者保健政策を促進するのか明らかにした。成果は、2020年10月のNightingale2020 Conferenceで発表し、現在もオンデマンド公開中である。目的②は、2022年度内に質問票調査を実施し結果を分析公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年10月から2021年7月までの間、海外赴任のため研究を中断しその間は研究を進められなかった。また、本研究が医療職を対象とすることから、COVID-19の影響により質問票調査については詳細に検討できなかった。本研究以外の研究活動や業務もCOVID-19の影響をうけており、ほかの業務の遅れが本研究の進捗にも影響した。社会の研究への関心がCOVID-19との関連へと移行していることにより、本研究のエフォート率を削り、より現状ニーズの高い研究を優先させたことも研究進捗の遅れに影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的①タイ高齢者保健政策におけるCommunity Nurse(CN)の役割を明確にする、に対し、先行研究で明らかとなったタイ高齢者保健政策実践の促進因子の因子構造、CNを含む「サービス提供者の役割遂行」因子が他の因子とどのように関連して高齢者保健政策を促進するのか明らかにした。これについては、2022年6月中に論文投稿する。次に、県病院、郡病院、Health Promotion Hospitalが提供する高齢者保健医療サービスに関する質問票を作成し、高齢者保健医療サービスの実践状況等を職種間で比較する質問票を作成予定であった。しかし研究の遅れを鑑みて修正し、現地関係者からのヒアリングと先行研究結果からCNの役割に関する質問票を作成する。 研究目的②CNの活動と地域高齢者の健康との関連を明らかにする、に対し、①で明らかにしたCNの役割を活動の度合い等で区分し、一時点の地域高齢者の健康状態をアウトカム指標として、CNの活動との関連をみる。そのための準備を進め2022年12月中にCNへの質問票調査及び健康指標のデータ収集を実施する予定である。 研究成果は2022年国際保健医療学会、2023年7月のICN Congressで公表予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は、国内学会3件の参加を予定しハイブリッド開催であれば可能な限り現地で参加し積極的に研究に関する情報等を収集する機会とする。また、質問票作成及び調査ができていないので2021年度研究結果に基づき質問票作成、データ収集及び分析を行う。そのための統計解析ソフトのバージョンアップに使用する。結果は積極的に英論文として投稿する計画であり、その準備及び投稿料に使用する。
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