2022 Fiscal Year Annual Research Report
GABA作用から探る運動麻痺回復時の脳可塑性に訓練の違いが及ぼす影響の検証
Project/Area Number |
19K19785
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 ちひろ 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70757468)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 脳出血 / 脳卒中モデル / リハビリテーション / 運動麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では脳卒中後の運動麻痺回復に有効なリハビリテーション(リハビリ)の開発、ならびに運動麻痺回復メカニズムの解明を目的に,脳卒中モデル動物を用いてリハビリ実施ならびに脳機能解析を実施した。 開始当初はラットを用いてモデル動物を作出していたが,遺伝子改変動物への応用等を見据え,脳梗塞・脳出血ともに動物種をラットからマウスへと変更した.新規モデル動物が確立し,今年度はその基礎データを取得した. 脳梗塞に関しては,PIT法を用いて前肢に限局した運動麻痺を呈するモデル動物を作出し,ヒトにおけるCI療法を模した強制的麻痺肢使用および麻痺肢で行う巧緻動作課題による機能回復効果を評価した.運動機能評価には,Single-pellet reaching testを用いて前肢の巧緻運動を,Horizontal Ladder testを用いて歩行能力・四肢協調性を評価した.その結果,歩行時のステップなどの粗大な前肢運動は,麻痺肢の強制使用によって回復するが,前肢の巧緻運動機能は巧緻動作課題を行わなければ回復が得られなかった.これらの成果は,ラットモデルに置いて取得した成績と同様の傾向であった.CI療法はヒトにおいて最も推奨グレードの高い治療法であるが,併用課題によってその成果が大きく左右されることが確認できた. 脳出血モデル動物に関しては,自発的および強制的な走行運動を実施し,運動様式の違いによる機能回復効果を検証した.運動機能評価にはBeam Walk testおよびRotarod testを用いた。その結果,自発運動を行った動物のほうが,強制的に走行した動物よりも機能回復効果が高かった.これらの成果は以前にラットで取得した成果と同様の傾向であり,自発的/強制的といった運動への取り組み方が機能回復効果を左右する可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)