2020 Fiscal Year Research-status Report
レーザードップラ血流計を用いた末梢循環の定量評価と運動療法への応用
Project/Area Number |
19K19787
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 裕介 秋田大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (30823033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心疾患 / 運動負荷試験 / 耳朶血流 / 足浴 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は心疾患を対象として心肺運動負荷試験(CPX)に耳朶血流(EBF)という新しい指標を取り入れることで,予後や運動療法に関する新しい指標となりうるかどうかを明らかにすることである.さらにEBFを指標としたより効果的かつ簡便な治療法の開発を目指す.2020年度の研究実施計画では前年度の追跡調査を行い,予後および運動療法の効果について明らかにすることとEBF上昇不良に対する非侵襲的治療法(足浴)を模索することを予定していた. 前者についてはEBFの低下は心不全に特徴的な所見であることがわかり,対象を心疾患患者から心不全に絞り,症例を集積する方針とした.しかし、呼気ガスを直接取り込むCPXは,新型コロナウイルス対策として一時中止せざるを得なかった.また,従来から呼気ガス分析は高価であり,扱いには専門的な知識が必要であるというデメリットが指摘されている.そこで,呼気ガス分析の代替法としてのウェアラブルデバイスを利用したCPXについて検討した.健常者を対象に心拍数と呼吸数をウェアラブルデバイスにて測定し,その正確性と運動強度や嫌気性代謝閾値の関連について調査した.その結果,ウェアラブルデバイスによるCPX中の心拍数と呼吸数は正確であり,呼気ガス分析によって測定された運動強度と高い相関を示した.呼気ガス分析の代替としてウェアラブルデバイスを用いることでwith/postコロナにおいても引き続き本研究の遂行が可能になると考える. 後者についてはEBF上昇に最適な足浴の条件について検討するため,健常者を対象に様々な湯温,水位で足浴を行いEBFを観察した.その結果,湯温42度,下腿中央の水位,15分間の足浴でEBFは最高運動時とほぼ同等の値を示し, 心拍数や血圧には変化を認めなかった.以上から安全に末梢循環を改善させる方法として応用できる可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は心不全患者を対象にCPX中の耳朶血流を測定し,予後および運動療法の効果について明らかにすることとEBF上昇不良に対する非侵襲的治療法(足浴)を模索することを予定していた.後者については計画通り進めることができた.しかし,前者については新型コロナウイルス対策のため一時中止となり,代替法の検討が必要となったため,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究計画では運動療法の前処置としての足浴の効果を検証する予定であった.しかし,2020年度に計画していた予後や運動療法の効果についての計画が遅れており,2021年度は上記についての調査を続ける.
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会が中止,国内の学会が中止はまたはweb開催となり,旅費を使用することができなかった.次年度の使用計画として,呼気ガス分析に代わる方法としてウェアラブルデバイスによる運動負荷試験への修正を検討しているため,ウェアラブルデバイスなどの購入を予定している.
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Research Products
(2 results)