急性期重度片麻痺患者に対するロボットスーツHALを用いた革新的歩行治療の確立

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K19788
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 渡邉 大貴 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (00779572)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 急性期脳卒中片麻痺 / 装着型サイボーグHAL / 歩行自立度 / 歩行改善治療 / 理学療法

Outline of Annual Research Achievements

計画1）臨床研究法に準じた研究計画書の作成，研究開始の準備
2019年度の前半は、探索的な臨床試験の実施、データの解析を行った。急性期脳卒中片麻痺者に対するHAL歩行治療の効果を確認するために、多施設のデータ（通常の理学療法群）と当院のデータ（HAL歩行治療群）を比較した。その結果、HAL歩行治療群の方が通常の理学療法群に比べて歩行自立度（FAC）が有意に改善した。しかし、研究のデザインがランダム化されていないため、様々なバイアスが生じていることが課題となった。これらの基礎的なデータをもとに2019年度の後半は、臨床研究法に準じた研究計画書を作成し，特定臨床研究開始の準備を実施した．具体的には，つくば臨床医学研究開発機構（T-CReDO）へプロトコルの相談、統計解析の相談を行い、研究プロトコルを作成した。

計画2）急性期重度片麻痺患者におけるHAL治療の有用性を検討
研究プロトコルの完成後、利益相反委員会，筑波大学認定臨床研究審査委員会へ書類を提出する予定である．承認後，厚生労働省に書類を送付，公開データベース（jRCT）に登録後，研究を開始する予定である．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

計画1・2）探索的な臨床試験の遂行において想定よりも時間を要したため、次のフェーズの臨床試験（特定臨床研究）の計画に遅れが生じている。加えて、臨床研究法に準じた研究計画書の作成には膨大な時間と労力が必要であり、やや難渋しているため。

Strategy for Future Research Activity

計画1・2）研究の実現可能性を重視し、研究の実施施設を限定すること（多施設から単施設へ変更）、探索的な臨床試験のデータをもとに選択基準の緩和（変更等）を行い、研究患者のエントリーを促進させること。

Causes of Carryover

今年度は、情報収集のための海外旅費への支出がなかったこと、研究計画の一部変更に伴い、備品の購入、謝金の支払いを実施しなかったため、次年度使用額が生じた。この次年度使用額は、次年度に予定している国内外の旅費とともに下記の研究を遂行するための費用（備品費等）に充当する予定である。
計画2）急性期重度片麻痺患者におけるHAL治療の有用性を検討

Research Products

• [Journal Article] Effects of Gait Treatment With a Single-Leg Hybrid Assistive Limb System After Acute Stroke: A Non-randomized Clinical Trial (2020)
  • Author(s): Watanabe H, Marushima A, Kadone H, Ueno T, Shimizu Y, Kubota S, Hino T, Sato M, Ito Y, Hayakawa M, Tsurushima H, Takada T, Tsukada A, Fujimori H, Sato N, Maruo K, Kawamoto H, Hada Y, Yamazaki M, Sankai Y, Ishikawa E, Matsumaru Y, Matsumura A
  • Journal Title: Frontiers in Neuroscience Volume: 13 Pages: p1-10
  • DOI: 10.3389/fnins.2019.01389
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Presentation] 急性期脳卒中片麻痺者に対するHAL 単脚歩行の探索的研究 ―多施設データとの比較― (2019)
  • Author(s): 渡邉大貴，丸島愛樹，門根秀樹，上野友之，清水如代， 日野天佑，佐藤允之，伊藤嘉朗，早川幹人，髙田智也， 塚田篤郎，藤森広幸，佐藤直昭，河本浩明，羽田康司， 山崎正志，山海嘉之，石川栄一，松丸祐司，松村 明
  • Organizer: 第56回日本リハビリテーション医学会学術集会（ポスター発表）
• [Presentation] Lateral Symmetry of Synergies in Lower Limb Muscles of Acute Post-Stroke Patients after Robotic Intervention (2019)
  • Author(s): Tan CK, Kadone H, Watanabe H, Marushima A, Hada Y, Yamazaki M, Sankai Y, Suzuki K
  • Organizer: 13th International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) World Congress, 2019 9-13, P3-1062, June 2019 Japan．（ポスター発表）
  • Int'l Joint Research
• [Presentation] Early Robotic Intervention Promoted Bilateral Reshaping of Gait Coordination in Hemiparetic Stroke Patients (2019)
  • Author(s): Puentes S, Kadone H, Watanabe H, Sankai Y, Suzuki K, Hada Y, Marushima A
  • Organizer: 13th International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) World Congress, 2019 9-13, P3-1121, June 2019 Japan．（ポスター発表）
  • Int'l Joint Research