2021 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者の予測に基づく認知・運動機能の評価方法の構築に関する基礎的研究
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19K19790
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菊池 ゆひ 金沢大学, 保健学系, 助教 (00749137)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 予測 / 認知機能 / 運動制御 / 小脳 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,統合失調症の予測の障害と脳機能および認知・社会機能との関連性について検討し,予測に基づく認知・運動課題を用いた認知機能の評価法の構築をめざしている.「重りの負荷課題」を用いて予測に基づく認知・運動機能の評価指標として,これまで先行反応に着目し,患者,健常者および健常高齢者のデータ収集,解析を進め,予測の有無による手の動きの量的・質的分析を行ってきた.その中で先行反応に加え,今年度は下記のような知見が得られたため,検討を進めているところである.また並行して,昨年度の実績として報告した簡易的な評価法(携帯電話に内蔵されたセンサと既存アプリの利用)を用いた測定および解析を継続中である. ①予測に基づく手の動きの加齢に伴う変化について.COVID-19の感染拡大によりリクルートおよび課題の実施に時間を要しているが,データ測定および解析を継続した.健常者(健常児,健常高齢者を含む)の先行反応,時定数,負荷後の下方への運動の大きさ,ピーク時間および安定性等についての結果を整理し,成果報告の準備を進めている. ②予測に基づく手の動きの運動学習について.新たに運動学習過程を評価するため,健常者を対象に「重りの負荷課題」を同日に反復して行った際の先行反応等の手の動きのデータ解析を行った.健常者において,予測に基づく手の動きとして生じる先行反応は反復練習により徐々に減少することが確認された.また負荷後の手の動きの大きさおよびピークまでの時間の減少も確認され.この課題が運動学習の評価としても有効である可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大の影響により対象者のリクルート,データ測定が遅れ,解析,成果報告の準備に時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究データに関しての成果報告の準備を進めるとともに,昨年度から進めている特別な装置を必要としない簡易的な測定方法を用いた測定を進め,検討を行ていく
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Causes of Carryover |
当初に参加を予定していた学会等の旅費を計上していたがCOVID-19のまん延により中止またはWeb開催となった.また論文投稿の準備が遅れたため,次年度使用額が生じた.また次年度使用額と令和4年度に請求した助成金については,令和4年度の実験および論文作成・投稿などの経費に充てる予定である.
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Research Products
(1 results)