2020 Fiscal Year Research-status Report
心臓血管手術後患者の生活機能の特徴と長期予後との関連性
Project/Area Number |
19K19791
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐藤 正彬 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (20781975)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生活機能 / 循環器 / リハビリテーション / 心臓血管外科 / 術後 |
Outline of Annual Research Achievements |
心疾患の患者数は増加の一途を辿っており、同時に心臓血管手術の施行件数は増加傾向にある。術後自宅へ退院した後、新規の心血管イベントの発生や原疾患の増悪等により1年以内に死亡や再入院に至る患者が少なからず存在する。心疾患の患者が再入院に至る原因の一つとして、退院後の生活機能の低下が想定されるが、これまでに心臓大血管手術後患者を対象とした退院後の生活機能の特徴や経時的変化を明らかにした報告はない。本研究はこれまでに明らかにされてこなかった心臓大血管手術後患者の退院後の生活機能の経時的変化とその特徴を明らかにし、退院後の生活機能に関連する要因を明らかにすることを目的としている。 2019年度は当初の研究計画に基づき、研究開始前の準備としてスタッフ間での打ち合わせを重ね、倫理委員会への申請、必要物品の購入を行い、入院~退院時までのデータ収集を開始した。入院中に収集するデータは術前患者属性、術中所見、術後項目(集中治療室、一般病棟)、退院時項目についてそれぞれ調査を開始した。 2020年度も症例のリクルートとデータ収集を中心に行ってきたが、新型コロナウイルス感染症に伴う様々な制約により、研究遂行にさらなる遅延が生じた。2020年度末時点で研究コホートに登録できた症例数は25名に限られている。これらの症例については入院時の身体機能、精神・認知機能、生活機能に関するデータ収集を行い、退院後のフォローアップ調査を開始することができている。また、2020年度中には本研究課題と関連した後方視的コホート調査を並行して実施した。調査の結果、心臓大血管手術後患者の退院時の日常生活動作能力と退院後の死亡や再入院の発生割合との間に関連が認められた。この研究の成果をまとめた英語論文を執筆し、現在、海外の学術誌に投稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症に伴う様々な研究遂行上の制約により、研究コホートの症例数の確保とデータ収集に難渋した。一方で、本研究課題の遂行が制限された時期には、本研究テーマと関連した後方視的コホート調査の成果をまとめ、現在、海外の学術誌に投稿中である。コロナ禍で研究課題の遂行に遅延が生じてしまったが、本研究プロジェクト全体としての成果発信を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の研究チームに加えて複数の医師や療法士に新たに研究協力の依頼を行ったため、研究コホートに登録する症例数をさらに増やしていく。 フォローアップ調査のデータ解析も並行して進めていき、論文の執筆作業も進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染に伴う研究遂行上の制約により、当初予定よりも症例のリクルートに時間を要しているため、2021年度も引き続き症例のリクルートを行う。新たにコホートに登録する症例のフォローアップ調査を行う際に郵便代や謝金等の諸経費が必要となるため使用する。また、研究成果を英語論文として学術誌に投稿する際の校正料金や掲載料等も必要となるため使用する。
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Research Products
(5 results)