2019 Fiscal Year Research-status Report
Electric field and effect on the neuroinflammation-mitochondrial activity of transcranial direct current stimulation.
Project/Area Number |
19K19792
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
武内 智康 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任助教 (20754188)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | tDCS / PET / MRI / ミトコンドリア活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が認知機能を促進することが報告されているが、その神経科学的な基盤は十分に検討されていない。tDCSの作用機序としては電気生理学的に神経伝達物質を調整していると考えられているが、刺激後も臨床的効果が持続していた報告もあり、脳内環境に作用している可能性がある。またtDCSの効果には個人差があるが、脳内電界シミュレーションが効果の個人差を評価するのに有用だとする報告がある。本研究では、個々人の脳内電界シミュレーションを行いtDCSの効果量を推定し、実際にPETを用いて脳内炎症とミトコンドリア活性変化に対する効果を定量化することで、疾患修飾治療法に繋がるtDCSの神経科学的基盤を明らかにする。 ①対象者の選定:成人の右利き男性20名を対象とし、2019年度は10名に検査を完了した。 ②tDCSの刺激法:個々の対象者におけるtDCSに対する効果を検討するため、無作為割付クロスオーバー二重盲検試験を行った。同意を取得後、対象者を実刺激群とシャム刺激群の2群に無作為に割り付けた。実刺激の通電量は、2mAの直流電流を13分間2回、20分間のインターバルをあけて施行した。tDCSによる介入前後で画像計測と認知機能検査を行った。 ③画像計測:PET撮像は、ミトコンドリア電子伝達系酵素複合体Iを標識する[18F]BCPP-EFを先行して検討した。MRI撮像はPhilips社製 Ingenia 3テスラを用いて、3D T1とT2強調画像の撮像を行った。 ④認知機能検査:CANTABによるパソコン上で行うワーキングメモリーの課題として、選択反応時間テスト、視覚性ワーキングメモリーテスト、 精神的空間操作のテストを行った。併せて、質問紙を用いた気分の評価としてPOMS2も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで10名の被験者で、検査を完了している。tDCSやPET/MRI撮像、認知機能検査に関して、問題なく研究を遂行することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き被験者のリクルートを行い、研究を遂行していく。被験者の募集は、近隣施設とも協力してリクルートを進めていく。 実験完了後は、PET/MRIの画像解析とともに、tDCSの脳内電界シミュレーションを名古屋工業大学 電気・機械工学専攻 平田研究室や浜松医科大学 心理学講座と共同で研究を行い、画像解析や認知機能検査との関係を検討していく。
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Causes of Carryover |
2019年度は画像計測が主体であり、差引額が生じた。2020年度も画像計測を継続するとともに、解析ソフトなども購入し検討を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)