2020 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生阻害によるボツリヌス療法効果延長療法の開発
Project/Area Number |
19K19794
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石原 弘基 島根大学, 医学部, 医科医員 (30829958)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ボツリヌス療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳損傷、脊髄損傷といった中枢神経障害により痙縮(けいしゅく)がおこる。痙縮とは、神経障害を基盤とした筋緊張が高まっている状態を指し、日常生活に支障をきたす。痙縮の治療としてボツリヌス療法が確立されているが、効果の持続時間が限られているという問題点がある。本研究では、ボツリヌス療法に加えて、神経軸索の再生を阻害することで効果を延長する治療法の確立を目指す。神経軸索の再生を促進する因子、インスリン様成長因子(IGF)-1/2の受容体であるIGF1Rに対する阻害抗体を用いて「ボツリヌス毒素投与後の神経軸索再生を阻害し、ボツリヌス療法の効果を延長する方法を確立すること」を目的とする。 前年度はマウスの歩行時の足跡を計測するfoot print testを用いて、IGF1R抗体を併用することでボツリヌス療法の効果が短期延長できることが確認できた。ボツリヌス療法により機能が低下した神経筋接合部は、機能を代償する側枝が出現することが報告されている。今年度は神経筋接合部近くの側枝の形態学的変化に関して実験を実施した。Thy1-YFPマウスを使用することで、神経の軸索・神経筋接合部・側枝の形態学的評価が可能であった。ボトックス療法単独の群とIGF1R抗体を併用した群の間に明らかな違いは無かった。抗体作成に関しては大腸菌から動物細胞を用いたタンパク質の作製方法に変更を行い、目標タンパクの作製・抽出をすることができた。
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