脳卒中による神経因性膀胱の病態解明と経皮的干渉波刺激を用いた非侵襲的治療開発

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K19796
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 大濱 倫太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (50773008)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 脳卒中 / 神経因性膀胱 / 経皮的膀胱干渉波 / fNIRS

Outline of Annual Research Achievements

今回、脳損傷患者の神経因性膀胱のメカニズム解明に、神経因性膀胱患者の干渉波電気刺激療法前後での膀胱圧迫時のfNIRSを用いた脳血流測定を行うことを 計画した。
脳卒中後の排尿障害に対しての全国的な研究状況の情報収集目的に、第26回日本排尿機能学会に参加し、脳卒中後の排尿障害に対しての経皮的干渉波刺激による治療効果の検証方法を検討し、定時膀胱内尿量測定が最適な検証方法であることを確認した。 そのうえで当院リハビリテーション病棟におい て株式会社リリアム大塚社製リリアムα 200を導入し、入院中の脳卒中の排尿障害患者に対し、定時膀胱内尿量測定を開始した。測定機器の操作に習熟するとともに、脳卒中後の排尿障害の実態に理解を深めることができた。 また、経皮的膀胱干渉波電気刺激装置ペリネスタを当院リハビリテーション病棟に導入し、実臨床での神経因性膀胱への治療に使用を開始した。職員への周知 と機器の操作に習熟を図ることができ、また治療効果や患者の反応を確認することができた。
一 昨年は先行研究をもとに、健常者を対象として、膀胱への経尿道的な操作を加えずに、下腹部への徒手圧迫により前頭前野血流の変化が起こることの再現を試 み、当院のfNIRSでも先行研究と同様の結果を測定できることを確認した。 現在、使用機器の選定と研究計画策定を終え、令和４年４月に倫理審査を終え、研究を開始した。目標症例数30例のところ、現在2例の研究対象に対し介入を実施。神経因性膀胱に対し経皮的膀胱干渉波による治療を実施し、前後での排尿障害・脳血流の変化を確認した。2例と少ない例数ではあるが、神経因性膀胱の改善に中枢神経での回復には異なるパターンが存在することが推察された。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初使用予定であった機材の廃盤による購入時期の遅れがあり、研究着手に時間を要したこと、研究可能な症例が集まっていないこと。

Strategy for Future Research Activity

現在集まった症例については第60回日本リハビリテーション医学会学術集会において発表を予定しており、その際に情報収集と意見を求め、されなる推進方策の検討に努める。

Causes of Carryover

今後も研究を継続するにあたり、消耗品の購入が必要となるため。