2020 Fiscal Year Research-status Report
静的・動的な力の調整能力解析による巧緻性の新規定量化法の開発
Project/Area Number |
19K19798
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中村 充雄 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (30404792)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 手指 / 巧緻性 / 力の調整能力 / 定量評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、手指巧緻性(静的・動的)の定量評価を開発することを目的とした研究であり、巧緻性の要因とされ、日常生活動作で必要不可欠な手指力の調整能力 を定量的に評価する手法を開発することと、既存の手指巧緻性評価との関連を明らかにする。さらには高齢者や中枢神経障害・整形疾患患者を想定し、表在感 覚・深部感覚と手指巧緻性の関連を明らかにする。令和元年(2019年度)では、定量測定機器の開発、令和2年度(2020年度)では健常成人を対象とし、既存の 机上手指巧緻性評価との関連を明らかにし、力の調整評価の有用性、信頼性と妥当性を検討する。最終年度には表在感覚・深部感覚と、手指巧緻性の関連を明確 にし、手指巧緻性と感覚との関連を解明することとした。 2019年度に開発した定量測定器について、静的手指巧緻性の評価に使用するスタティックジョイントの追加開発と、動的手指巧緻性の評価で用いる、バネを内蔵したつまみ測定ジョイントの強度の微調整を2020年度に実施したが、COVID-19の影響もあり健常成人を対象とした実験成果を挙げるまでには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
手指の力の調整能力を評価することは、日常生活動作を遂行する手指機能を評価する上で非常に重要である。現在の手指巧緻性評価では、巧緻性の要素を評価す ることはできず、細かい作業を遂行する達成時間を指標とするに過ぎない。そこで、本研究では、定量的に手指巧緻性の要素である力の調整能力を評価する手法 を開発することを目的とした。 これまで申請者らは、力の調整能力に注目し、既存の測定機器を使用してきた。より日常生活活動の道具操作には、手指の関節運動を伴わない静的調整能力のみ ならず、関節運動を伴う動的調整能力の評価も必要であると考え、静的・動的力調整評価機器(特別注文にて作成済み)、評価プログラム(特別注文にて作成済 み)を作成した。 動的手指巧緻性の評価機器の微調整が必要であり、2020年度に実施し計測機器の開発までは概ね進んでいたが、COVID-19の影響により被験者確保が困難となったことから当初予定していた研究が実施できない状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、作成した定量評価を用いて、既存の測定機器との相関・妥当性の検証と、机上の手指巧緻性評価との関連を検討する予定でいた。しかし、COVID-19の影響により被験者確保ができなかった。2021年度はさらに準備を進め、健常成人を対象とし、既存 の測定機器、机上の手指巧緻性評価であるパーデュペグボード、9 hole peg testを実施し、2019~2020年度に作成した新定量評価と関連を明らかにする。また今回 新規の動的力調整能力を測定し、巧緻性との関連を解明する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により実験研究が遅れているため、次年度実施謝金や論文の投稿、開発物品の微調整費用として使用する。
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