2021 Fiscal Year Research-status Report
めまい平衡リハビリの客観的評価法の確立と効果的なリハビリプログラム開発への応用
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19K19800
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
塩崎 智之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70812668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前庭リハビリテーション / 直流前庭電気刺激 / H反射 / 前庭脊髄反射 / 身体活動量 / 前庭動眼反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は病態別に最も効果的な前庭リハビリテーションプログラムを確立し、めまい平衡障害のテーラーメードの医療のスキームを構築することである。 そのために客観的な評価の確立とリハビリテーションでの効果検証を実施している。客観的な評価の確立のため前庭脊髄路機能を神経生理学的手法を用いて測定する方法の臨床応用について検証した。その結果、まず健常者においては即時的なバランス機能の改善と前庭脊髄路機能に相関がみられることがわかった。このことでリハビリテーションンの反応性をこの方法を用いて評価できる可能性が示された。 また、末梢前庭障害患者における前庭脊髄路機能の横断的調査を実施し、バランス機能との関係性がみられた。末梢前庭機能障害の客観的評価として実用性があることが示された。 前庭リハビリテーションによる前庭動眼反射の改善についても調査を実施した。理学療法士による個別前庭リハビリテーションにより運動指導のみの対照群と比較し慢性期前庭障害患者の前庭動眼反射機能が高まることが示された。過去の研究では慢性期には前庭動眼反射機能は改善しないことが報告されているが、本研究では長期的な介入を行うことで改善がみられる可能性が示された。 また、末梢前庭障害の損傷部位による前庭リハビリテーションの効果の違いについても調査を行った。損傷が内耳に現局した症例では後迷路に損傷がみられる症例に比べて前庭リハビリテーションの効果が高いことがいえた。この結果は動物を用いた基礎実験と類似したデータであり、損傷部位による新たな治療法の確立に重要な所見となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行によりめまい平衡障害患者のデータ収集が遅れ、縦断的なデータの測定が行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断的なデータを測定するため1年間の研究期間延長を行った。今後、横断的なデータの公表と縦断研究のデータ収集を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究の遅延により論文投稿費や報告のための旅費を使用しなかったため。次年度に成果報告のための予算として利用する。
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