2019 Fiscal Year Research-status Report
心腎連関において長期的運動が酸化ストレスにおよぼす影響について
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19K19801
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高橋 麻子 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (20825773)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 長期的運動 / 心筋肥大 / 間質線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで慢性腎不全モデルである5/6腎臓摘出慢性腎不全ラットとDahl食塩塩感受性ラットにおける長期的運動の腎保護効果についてはプレリミナリーに示されたが、心腎連関という面から長期的運動の心臓への効果について検討するため、Dahl食塩塩感受性ラットを無作為に①通常食塩食(Normal Salt:NS)群、②高食塩食(High Salt:HS)群、③高食塩食+運動(HS+Exercise:Ex)の3群に分け、8週齢より8週間にわたって介入を行った。運動は、ラット用トレッドミルを用いた有酸素運動を1回/日、60分/回、5日/週とし、最終週に血圧測定と心臓エコー検査を施行した。 HS摂取による血圧上昇は長期的運動によって有意に低下した。心臓エコー検査では、左室後壁厚はHS摂取により有意に増加し、これはHS+Ex群と有意差はなかった。左室内径短縮率(FS)はHS摂取により有意に低下し、これはHS+Ex群と有意差はなかった。組織学的検討において、心筋細胞のサイズ、間質線維化面積いずれもHS摂取によって有意に増加し、これらはHS+Ex群と有意差はなかった。活性酸素種産生の指標の一つであるxanthine oxidase活性は、HS摂取によって有意に亢進し、長期的運動によって低下傾向であった。長期的運動はHS摂取による血圧上昇を有意に低下させ、心臓の酸化ストレスを低下させる傾向があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HS群とHS+Ex群において、当初計画していたラットの運動期間においては心臓エコー検査や組織学的検討において有意差が認められず、プロトコルの再検討を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの結果では心筋細胞サイズ、間質線維化面積、左室後壁厚、FSにおいてHS群とHS+Ex群で有意差がなかった。先行研究や予備実験による8週間という運動介入期間が短かった可能性もあり、他の先行研究を参考にさらに長い期間の運動を検討する。また、5/6腎臓摘出慢性腎不全ラットの心臓についても解析を進める。
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Causes of Carryover |
使用したい物品や試薬の中でいくつか納品期間の見通しが立たないことが判明し、先送りまたは代替品としたため。
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Research Products
(3 results)