2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of 4-week preoperative blood flow restriction exercise on ischemia reperfusion injury after total knee arthroplasty.
Project/Area Number |
19K19809
|
Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
久保 裕介 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 臨床講師 (60834447)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 人工膝関節全置換術 / 術前介入 / 血流制限下運動 / 虚血再灌流障害 / 大腿四頭筋 / 筋力低下 / 術後機能回復 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、術前4週間の血流制限下運動が人工膝関節全置換術後に惹起される著しい大腿四頭筋の筋力低下の抑制および、術後機能回復の最適化に寄与するかどうかを、標準運動療法を比較対照としたランダム化比較対照試験を用いて明らかにすることである。 2019年度において研究へ取り込まれた対象者は6名(血流制限下運動群:2名、標準運動療法群:4名)であり、年齢±標準偏差は71±6歳、性別はすべて女性であった。その対象者のうち1名は術後3か月の最終評価を完了し、その他5名は途中脱落することなく研究を継続中である。 現時点の対象者数では術前4週間の血流制限下運動の効果に言及することは困難であるが、その安全性および完遂率の高さが予備研究において確認された。血流制限下運動は、血流を制限した状態において運動を実施するため、運動中の過度な循環応答の誘導に加え、横紋筋融解症や深部静脈血栓症、肺塞栓症などの発症リスクを高める可能性がある。そこで予備研究として、人工膝関節全置換術の待機患者を対象に血流制限下運動の安全性を確認した。その結果、本研究の運動プロトコルでは、上述したような有害事象は確認されなかった。また、血流制限下運動による膝関節痛の増悪も懸念されたが、疼痛により運動継続が困難になるケースは確認されなかった。変形性膝関節症に罹患した高齢な対象者においても、本研究における血流制限下運動のプロトコルは、安全性および完遂率の高い運動プロトコルであることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の計画では、18名の対象者が研究に取り込まれる予定であった。しかしながら、研究に取り込まれた人数は6名であり、予定された人数よりも大幅に少ない状況である。そのため、現在までの進捗状況は、「遅れている」の区分に相当すると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度は、引き続き介入およびデータ測定を継続し、対象者数が目標に到達した場合は、データ解析を実施し、得られた成果を学会発表および論文にて広く公表する。本年度の研究対象者数は予定された人数よりも少なくなったため、翌年度においては研究倫理を厳守しながら、研究の周知活動に努める。
|
Causes of Carryover |
本年度の研究対象者数は予定された人数よりも少なくなったため、その少なくなった人数分の血液検査料と謝礼金が未使用となった。また、データ入力作業が不必要となったため、人件費が未使用となった。上記2点の理由により、次年度使用額が生じた。本年度に未使用となった研究費は、翌年度の血液検査料や謝礼金、人件費に充当する予定である。
|