2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of 4-week preoperative blood flow restriction exercise on ischemia reperfusion injury after total knee arthroplasty.
Project/Area Number |
19K19809
|
Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
久保 裕介 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 臨床講師 (60834447)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 人工膝関節全置換術 / 術前介入 / 血流制限下運動 / 虚血再灌流障害 / 大腿四頭筋 / 筋力低下 / 術後機能回復 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、研究対象者の新たなリクルートが困難であった。その理由は、研究参加の基準が厳格であることに加え、新型コロナウイルス感染の懸念による研究参加の拒否事例があったことである。研究開始当初から上記理由のために研究参加者が予定よりも少なくなっていたが、今年度においては新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けた。今後も対象者のリクルートに難渋することが予測されるため、対象者数が目標症例数である46名(各群23名)に到達していないが、本年度以降の対象者の募集を中止することとした。2023年度は、本研究のデータを解析し、研究成果の発表および論文の掲載を目標とする。この目標を達成するために、研究期間の再々延長を申請した。 今年度までに研究に取り込まれた対象者は、22名(血流制限下運動群:11名[平均年齢73歳、男性2名、女性10名]、標準運動療法群:11名[平均年齢72歳、男性2名、女性10名])であった。すべての対象者は、途中離脱することなく、術後3か月の最終評価を完了した。研究期間中において、血流制限下運動において懸念されるリスク(過度な循環応答や横紋筋融解症、深部静脈血栓症など)や、運動中における膝関節痛の増悪による運動持続が困難となるケースは観察されなかった。本研究のメインアウトカムである術直後の術側大腿四頭筋の筋力低下(術前から術後4日目における筋力低下率)に関しては、2群間に有意な差は認められなかった(血流制限下運動群[11名]:-72±11%、標準運動療法群[11名]:-75±12%)。また、術前後の術側大腿四頭筋筋力(術前、術後4日、術後1か月、術後3か月)においても、2群間に有意な差は認められなかった。 本研究で採用した血流制限下運動は、TKA待機患者において安全に実施可能であることが示されたが、術後の大腿四頭筋筋力の回復に影響を及ぼさないことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
翌年度は、データ解析を実施し、研究成果の発表および論文の掲載を目標とする。現在は、データの解析中である。そのため、目標達成までの過程を考慮した場合、現在までの進捗状況は「やや遅れている」の区分に相当すると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度は、データ解析を実施し、得られた成果を学会発表および論文にて広く公表する。
|
Causes of Carryover |
本年度の研究対象者数は予定された人数よりも少なくなったため、その少なくなった人数分の血液検査料と謝礼金が未使用となった。また、研究成果の公表のための費用が未使用となった。上記2点の理由により、次年度使用額が生じた。本年度に未使用となった研究費は、翌年度の研究成果の公表のための資金に充当する予定である。
|