2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K19812
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前田 寛文 藤田医科大学, 医学部, 講師 (60625490)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 痙縮 / 磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中などの上位運動ニューロン症候群の主徴候である痙縮の治療法として、経皮的電気刺激療法は治療ガイドラインにも掲載されている。しかし治療に際し麻痺のある患者の皮膚を露出させる難しさがあること、ディスポーザプル電極のコストがかかることなど、日常臨床での使いづらさがある。一方、磁気刺激は体内で渦電流となり電気刺激に類似の効果を生じるが、電極を直接皮膚に貼付する必要がないので衣服の上から刺激可能であるため、磁気刺激を用いて電気刺激と同様の痙縮抑制効果を得ることができれば患者にとって有用である。実際、経頭蓋磁気刺激を用いた痙縮軽減効果はすでに報告されているが、経頭蓋磁気刺激は装置も大きく限られた施設でしか行えないという欠点があった。そこで最近市販された小型の末梢専用の磁気刺激装置を用いて痙縮軽減効果を得ることができれば、痙縮患者に有用と考えられる。予備研究として健常成人を対象として下腿三頭筋に感覚閾値以下、感覚閾値、運動閾値、最大運動強度の磁気刺激と経皮的電気刺激を与え、筋電図・誘発電位装置を用いてヒラメ筋から導出したH/M最大値比にて痙縮軽減効果を検討した。その結果、感覚閾値以下および感覚閾値の磁気刺激強度と経皮的電気刺激では効果が得られた。以上から、新規の痙縮治療法として感覚閾値以下の弱い磁気刺激での治療法の可能性が示唆された。今後は、健常成人、痙縮患者を対象として末梢磁気刺激による痙縮軽減のための最適条件とその効果を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特定臨床研究の申請に時間を要したため、2019年度は予備的研究にとどまった。しかし、予備的研究では感覚閾値以下および感覚閾値の弱い磁気刺激でも痙縮軽減効果が得られており、2020年度は計画に沿って研究を進められる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者および痙縮患者を対象に磁気刺激強度の違いによる痙縮軽減効果と痙縮筋および拮抗筋への刺激による痙縮軽減効果について、計画に沿って研究を進める予定である.
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Causes of Carryover |
研究を進めると同時に磁気刺激に用いる専用コイルの改良にも取り組む予定のため,それらの費用として使用予定である.
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