2020 Fiscal Year Research-status Report
動作解析手法および骨格筋超音波法を用いた変形性膝関節症の進行要因の解明
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19K19816
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
塚越 累 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (60724789)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画では、2019年度までにベースラインの測定(歩行、段差昇降および起立動作の動作分析と筋活動分析、膝関節伸展・屈曲筋力測定、大腿四頭筋筋厚・筋輝度測定、運動能力測定、変形性膝関節症評価尺度による評価)を実施した変形性膝関節症者に対して2020年度よりベースラインから3年経過後の再測定を行い、各評価項目の縦断的変化を分析する予定としていた。しかし、新型コロナウイルスの影響により、研究対象者が来学できず再測定を行う事が出来なかったため、再測定までの期間を1年間延長して4年間に変更した。そのため、2020年度は研究測定を行わず、専らこれまでに測定したベースラインデータの解析を行った。変形性膝関節症者約50名と健常中高年者約40名のデータを比較した結果、歩行分析では、膝関節症群のほうが健常群に比べて歩行速度は約10%、歩行率は約3%、歩幅は約7%それぞれ有意に低下していた。膝関節角度では、膝関節症群は荷重応答期の屈曲角度が小さく、立脚中期の伸展角度も健常群と比較して小さかった。また、膝関節症群は立脚期の内反角度が健常群よりも大きかった。膝関節モーメントでは、立脚期の屈曲モーメントが膝関節症群 のほうが有意に小さかった。また、膝関節症の進行に影響するとされている立脚期の膝関節内反モーメントの最大値に有意な差はなかったが、内反モーメント積分値は膝関節症群のほうが有意に大きかった。これらの結果から、膝関節症者の歩行速度の減少や歩幅の短縮には、膝関節屈曲モーメントの減少が影響している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施計画では、2019年度までにベースラインの測定を実施した変形性膝関節症者に対して2020年度よりベースラインから3年経過後の再測定を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、研究対象者が来学できず再測定を行う事が出来なかったため、本研究課題の進捗状況としては遅れているとみなされる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画では、2020年度よりベースラインから3年経過後の再測定を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、研究対象者が来学できず再測定を行う事が出来なかったため、再測定を4年経過後に変更し、2021年度より順次再測定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染状況により、2020年度は研究測定が行えなかったため謝金が不要であったこと、購入予定であった筋電計センサーの購入を延期したこと、学会がweb開催となったため旅費の支出がなかったことなどの理由から次年度使用額が生じた。2021年度は研究測定を再開し、筋電計センサーも購入する予定であり、次年度使用額を物品費と謝金に使用する予定である。また、対面での学会に参加する予定であるため、次年度使用額を旅費にも使用する予定である。
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