2023 Fiscal Year Research-status Report
動作解析手法および骨格筋超音波法を用いた変形性膝関節症の進行要因の解明
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19K19816
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
塚越 累 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60724789)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 動作分析 / 筋機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性膝関節症は国民の多くが中年期以降に発症する慢性進行性の運動器疾患であり、その発症・進行の予防は国民の生活の質の維持向上だけではなく医療経済学的にも重要な課題である。変形性膝関節症の進行に影響を及ぼす要因としては、年齢、身体活動量、動作時の膝関節への力学的負荷、骨形態、下肢筋力、肥満などが報告がなされているが、それぞれ単一または少数の要因と関節病態との関連を縦断的に調査したものがほとんどであり、関節への力学的負荷や筋の量的・質的評価を含めた多要因と関節病態の変化との関連性を縦断的に調べた研究は見当たらない。本研究は、変形性膝関節症患者を多角的・縦断的に評価し、変 形性膝関節症の進行に影響を及ぼす要因を多変量解析により特定することを目的として実施している。 研究実施計画では、2019年度までにベースラインの測定(動作分析、筋活動分析、筋力測定、筋厚・筋輝度測定、運動能力測定、変形性膝関節症評価尺度による評価)を実施した変形性膝関節症患者に対して、2020年度より3年経過後の再測定を行い、各評価項目の縦断的変化を分析する予定としていた。しかし、新型コロナウイルスの影響により、2020~2023年度は研究測定を行うことができなかった。そのため、研究期間を1年間延長することとし、2024年度より再測定を行う予定である。 本研究において、変形性膝関節症患者のベースラインと同年代健常者とを横断的に比較した結果、変形性膝関節症患者において、膝関節伸展筋力や運動能力の低下、歩行時の大腿四頭筋と大腿二頭筋の同時活動の増加、階段降段動作時の膝関節内反モーメントの増加などが明らかとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施計画では、2019年度までにベースラインの測定を実施した変形性膝関節症者に対して2020年度よりベースラインから3年経過後の再測定を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、2020年度から2023年度は測定を行えなかった。そのため、本研究課題の進捗状況としては遅れているとみなされる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画では、2020年度よりベースラインから3年経過後の再測定を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、再測定を行う事が出来なかったため、再測定を7年経過後に変更し、2024年度より順次再測定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は変形性膝関節症患者の研究測定が行えなかったため、研究対象者や研究補助者への謝金の支出が無く、研究測定に要する消耗品も科研費による購入は行わなかった。また、当初計画していた海外で開催される国際学会に参加しなかった。これらの理由により次年度使用額が生じた。 2024年度は研究測定を行う予定であるため、研究対象者や補助者への謝金や消耗品費、論文投稿にかかる費用等に科研費を使用する予定である。
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