2020 Fiscal Year Research-status Report
横隔膜超音波検査に基づいた小児人工呼吸器管理指針構築に関する研究
Project/Area Number |
19K19820
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Research Institution | Ibaraki Children's Hospital |
Principal Investigator |
野崎 良寛 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター), 小児医療研究部門, 研究員 (40754560)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 横隔膜機能 / 人工呼吸器管理 / ICU acquired weakness / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
人工呼吸器管理中の小児患者の早期人工呼吸器離脱に向けた方策として、リハビリテーション介入が有用と考えられるが、リハビリテーション介入の有用性について、有用な評価方法は確立していない。 人工呼吸器管理中の呼吸機能として、食道内圧変化を評価する方法があるが、機器が高価で広く汎用されていない。横隔膜機能を超音波検査で評価できれば、安価で侵襲なく反復することができ、実績のある食道内圧変化と比較して検証し、超音波検査の有用性を検証し、リハビリテーションによる効果を評価できるかを検証することを目的とする研究である。 令和1年度に、研究実施施設の茨城県立こども病院で倫理審査を受け、研究協力者からの具体的な関わり方を確認し、測定体制の構築を行った。 令和2年度は測定を実際に行いながら、測定プロトコールの確立、妥当性の検証を行い、また、超音波検査施行者の技術的な習得を進めることにした。しかし、新型コロナウィルス感染症に対する予防対策が広く実施された結果、呼吸器疾患患者が少なく、実際に対象等する人工呼吸器を装着する患者が想定より非常に少なかった。令和2年度の間で計3名に横隔膜超音波検査を施行した。まだ症例数が少ないが、成人での報告に比べて、測定値のバラツキが多く、検者間誤差も多い印象を受けている。症例を蓄積し安定した結果が得られるような測定プロトコールの見直しを検討するとともに、実際のバラツキを検証することにした。また管理中の横隔膜の形態も一様ではない印象を受け扁平率など定量化を試みる方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者がR1年度途中で茨城県立こども病院から筑波大学附属病院に異動となり、本研究の主評価項目である横隔膜が作り出す圧力の測定は茨城県立こども病院にある人工呼吸器(AVEA)のような医療機器は限られており、異動先では食道内圧測定ができなかった。そのため、茨城県立こども病院での研究を継続することとした。さらに、その後新型コロナウィルス感染症の流行により病院間の行き来に制限がされるようになってしまった。また、新型コロナウィルス感染症の影響により、必要物品の準備に時間を要したため、想定したとおりに進めることができなかった。準備が終わった後、対象患者の登録を始めたのだが、新型コロナウィルス感染症対策のためか、人流が減少したのに関連しRSウィルス感染症やインフルエンザウィルス感染症をはじめとした呼吸器疾患患者が激減し、研究対象となる人工呼吸器管理患者が事前の想定より少なかった。実際のプロトコールの確認として計3名に横隔膜超音波検査を施行している。
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Strategy for Future Research Activity |
データの収集の準備はできており今後進めていく。 対象患者の発生が非常に少なかったため、本来の目的としてマッチする呼吸器疾患患者から対象を拡大することにした。工呼吸器管理を必要とする心臓手術後患者などを含めることにし患者登録を進めることとした。今後症例蓄積を継続していく。
食道内圧測定が可能な機器が新たに上市されており、研究代表者の勤務先でも購入が検討されている。正式に導入されれば、県内の小児集中治療を担っている筑波大学附属病院と茨城県立こども病院の二拠点で、食道内圧の測定が可能であり、二施設で症例蓄積を行うことをすすめる。
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