2022 Fiscal Year Research-status Report
難治性疼痛に対する中枢-末梢同時電気刺激の有効性のトランスレーショナルリサーチ
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19K19829
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松尾 英明 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 理学療法士 (60529387)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中枢-末梢同時電気刺激 / 神経障害性疼痛 / リハビリテーション / 経頭蓋直流電気刺激 / 経皮的末梢神経電気刺激 / 上肢運動機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度においても前年度に引き続き、動物用tDCS方法について先行研究を参考に医療用セメントを用いてラットの頭蓋骨を固定する方法を試みたが十分な固定性が得られず、安定したtDCS刺激方法の確立が困難であった。そこで刺激方法を確立しているTENSの脊髄における鎮痛メカニズムの一端を解明するための実験を行い、神経興奮性マーカーを用いてどのような特徴をもった神経細胞が活動しているのか解析中である。 臨床研究では、計画した頸髄疾患の上肢神経障害性疼痛、痺れを有する症例をリクルートしている段階である。計画段階で想定したよりも包含基準に該当する患者が少ないこと、在院日数の短縮化で十分な研究期間が得られないことで、予定したプロトコルを完遂することが出来なかった。 今年度は体性感覚刺激による誘発電位の評価プロトコルの習熟を十分に行えた。研究期間を延長し、健常成人におけるtDCS+TENSの同時刺激の効果を定量的な感覚評価に加えて体性感覚や痛覚による誘発電位で効果検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物用tDCSの刺激方法については前年度と同様の理由で確立することに難渋している。また、臨床研究でもコロナ禍での診療制限に加え、施設内でもCovid-19感染クラスターなどもあり、リクルートに難渋している。また、包含予定の対象者も想定以上に少ない傾向にある。
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Strategy for Future Research Activity |
動物を用いた基礎研究は、既存の論文または他施設への見学申請など試みてtDCS方法の確立を目指す予定である。現状進めているTENS単独での鎮痛メカニズムの解析では、脊髄後角の神経細胞の興奮性とその特徴について解析予定である。 臨床研究では、すでに計画した研究のリクルートを随時行っている。感染状況やそれに伴う社会情勢も変化してきているため包含基準を満たす症例の参加が期待できる。ただし、症例数としてはあまり多くないことが見込めるため、ケースレポートやケースシリーズによる効果検証を想定して行う予定である。
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Causes of Carryover |
申請当時予定していた経頭蓋直流電気刺激装置は国外メーカーの品のみで高価であったが、実際に購入する際には国内メーカーのものを非常に安価に購入できたため、大きな差異が生じた。生じた差額は、次年度の研究で必要となる実験動物、試薬類、電極類などの消耗品、情報収集と成果発表のための旅費、国際誌投稿関連費用などで使用する計画である。
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