2019 Fiscal Year Research-status Report
腰痛の一次予防および二次予防のための運動プログラムの開発
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19K19830
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 恵 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30715941)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 予防 / 腰痛 / 体型 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで慢性腰痛患者に対して運動が有効だとされているが、腰痛の慢性化・重症化や、発症そのものの予防に関して、効果的な対処方法を示した報告は乏しい。我々の研究では、整形外科外来を受診した慢性腰痛患者に対して、個々の患者の運動機能に合わせた運動を指導して自宅にて継続させた。その結果、1か月で疼痛が有意に減少し、3か月後にさらに減少し、介入を終了してから3か月後でもその効果は維持できていた。我々の研究により、頻繁に医療施設に通院しなくても、患者それぞれの運動機能に応じた適切な運動を継続すれば腰痛の治療や再発予防に効果があることが明確になったことから、非医療機関での予防的介入の展開につながる可能性が示唆されたといえる。そこで我々は、腰痛に対してより早期から運動を継続することで、腰痛の慢性化・重症化、さらには発症を予防することが可能になるのではないかと考え、本研究課題の提案に至った。まずは軽症の腰痛や年齢と姿勢・体型および運動機能の関連を解明しようと試みた。 18歳から69歳を対象とし、姿勢・体型および運動機能について評価した。姿勢・体型の計測には3Dボディスキャンを使用し数値化した。運動機能の評価には体組成・筋力・柔軟性・バランス能力・超音波画像診断装置による筋厚と筋輝度・歩行能力・ロコモ度が含まれた。合わせて腰痛などの運動器障害の有無やその期間・程度を自記式質問紙票により調査した。 運動器障害の有無と姿勢・体型および運動機能については、まだ十分なn数が得られておらず、引き続きデータを蓄積している。しかしながら、腰痛の有無で群分けし比較した結果、運動機能および姿勢については群間差がなかったが体型については有意差があり、腰痛あり群の方が不良であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一部にあたる内容についてはすでに学会発表を行い、論文を投稿した。 一部研究協力施設の変更が必要だが、現状では2020年度も測定会を実施を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きn数を増やし、詳細な解析を行う。今年度、測定会の実施を計画している。 一部研究協力施設の変更が必要であるが、それについては候補を挙げ手続きを進めている。
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Causes of Carryover |
国際学会の参加が2回が1回になったことと、データ測定や研究ミーティングを本学で実施したことにより、旅費等の支出が少なかったため、次年度使用額が生じた。 次年度も学会の参加および測定会の実施を計画しているため、そこに充当する。
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