2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性肝炎患者におけるサルコペニアおよび肝組織改善のための運動療法プログラムの確立
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19K19831
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
筆保 健一 広島大学, 病院診療支援部, 理学療法士 (40741301)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性肝疾患 / サルコペニア / 歩行速度 / 肝線維化 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性肝疾患(CLD)患者においてもサルコペニアは死亡リスクを上昇させる。一方で、CLDにおける肝線維化とサルコペニアの関係性については不明な点が多く、さらには、歩行能力などの身体機能との関連性は明らかでない。そこでCLD患者を対象に、肝線維化がサルコペニアおよび歩行能力と関連があるか検証が行われた。 対象は2014年4月から2018年6月までに広島大学病院消化器内科に入院し、リハビリテーション科に紹介され理学療法を受けた60歳以上のCLD患者117名であった。 評価項目は、患者背景として年齢、性別、BMI、肝細胞癌の有無、肝線維化マーカーとしてFIB-4 index、体組成ならびに身体機能として骨格筋量、握力、膝伸展筋力、歩行速度とされた。サルコペニアの有無は、Asian Working Group for Sarcopenia (AWGS) 2019基づき判定された。FIB-4indexはLow (FIB-4 index <2.0)、intermediate (2.0≦FIB-4 index≦2.67) 、High (FIB-4 index > 2.67)の3群に分類、歩行速度低下は<1.0m/sとした。 対象全体でのサルコペニアの有病率に差を認めなかった。一方、歩行速度低下の発生率は、Low FIB-4 index群の17%に対し、High FIB-4 index群で41%と高値を示した (p=0.029) 。ロジスティック回帰分析の結果、年齢、性別、肝細胞癌合併、骨格筋量減少とは独立して、FIB-4 index (odds ratio [OR]: 1.32, 95% Confidence Interval [CI]: 1.13-1.55) および下肢筋力 (OR: 0.92, 95% CI: 0.88-0.97) が有意な因子として抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下内容の投稿論文のアクセプトが達成された。 肝炎を含む慢性肝疾患を対象に、肝線維化の進展がADL低下を伴い、さらに筋肉量・筋力低下を惹起する可能性を示した。高齢CLD患者において、骨格筋量や筋力低下だけでなく、歩行速度低下に対する予防的介入の重要性を示唆し、早期からのリハビリテーション介入がADLの維持・改善に重要な役割を担うことが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、さらなる解析を行い、論文投稿を検討している。
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Causes of Carryover |
本年度論文投稿作業が滞り、予定使用額と差額が生じた。次年度、更なる解析を行い論文作成に際し校正費など、論文投稿に際し投稿料などが必要となる。
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Research Products
(1 results)