2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K19837
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
杉山 恭二 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 助教 (70774610)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 着地衝撃 / ACL再建術後 / タイミング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1)タイミング一致能力の客観的評価方法の確立と2)ACL再建術後患者での術後着地衝撃のトレーナビリティと関与する因子の検討を行なった。 具体的には、1)タイミング一致能力は、刺激に対する反応の一致度合いで評価される。そのため刺激の条件は、光刺激や音刺激など、反応としてはボタン押しや上肢運動や下肢運動などが想定される。健常人を対象に、実験を開始したが、新型コロナウィルスの感染拡大により人を対象とした実験が一時中断せざるをえなかった。また、実験のために開発依頼した機器に不具合があり修理を要したこともあり、今年度は実験を完了することができなかった。 2)膝前十字靭帯再建術(ACLR)後の片脚着地動作を解析した報告は多いが、側方着地の衝撃緩衝能力の変化は明らかではない。そのため、ACLR後6か月と8か月における側方着地の衝撃緩衝能力の変化を調査した。対象は、ACLR後患者13名とした。術後6か月から側方への片脚ドロップジャンプ着地、方向転換、アジリティを重点的にトレーニングした。術後6か月と8か月に20cm台から側方20cmに片脚で床反力計上に着地し、最大垂直成分(Fz)、最大到達時間(peak time)、着地衝撃(loading rate: LR)を計測した。また、各時期に60deg/s等速度膝伸展筋力トルクを計測し、健患側比を計算した。術後6か月に比べて8か月はpeak timeが有意に延長し、LRは有意に低下した。膝伸展トルク健患側比は、術後6か月に比べて8か月で有意に向上した。これらの結果から、ACLR後6か月から8か月にかけて、側方の衝撃緩衝能力が向上していることが明らかとなり、トレーナビリティが確認された。関与する因子について、術後の筋機能の改善が影響してる可能性も示唆されるが、それのみでは説明できないため、引き続き検証を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人を対象とした実験が困難な時期が長く続き、臨床研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、スポーツ選手への実験を再開し、データ収集し、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染症拡大を受けて、予定していた学会参加や実験などが取りやめになったため。
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