2020 Fiscal Year Research-status Report
感情調節困難患者に対するマインドフルネス作業療法介入マニュアルの開発
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19K19838
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
織田 靖史 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (50835080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マインドフルネス作業療法 / 臨床活用 / 治療者のトレーニング / 対象者家族 / 治療構造 / マニュアル作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
作業療法で用いる作業のマインドフルネス要素を用いた介入であるマインドフルネス作業療法(MBOT)を実施する上で必要な条件について専門家に半構造化面接によるインタビューを行い、それを質的に分析することで、その内容を明らかにしていった。 その結果、①対象者に対してわかりやすい書類などが必要なこと、②導入のための説明と実際にMBOTを実施する際の説明を使い分ける必要があること、③治療者(介入者)が中立であるためのトレーニングが必要なこと、④対象者の家族と場を共有して行うことでも効果があること、⑤個別、集団の両方で実施可能なこと、⑥集団の場合、セミクローズドで行われることが多いこと、⑦週1回以上行うことが求められること、⑧終末期、訪問などでも利用可能なこと、⑨作業は非日常のものから日常のものまで様々なものが用いられること、⑩日常で行う課題もあると効果が上がること、などがわかった。 これらのことは、現在開発中のマニュアルの暫定版の作成のなかで重要なポイントとなるものと考えており、これらを組み込むことにしている。特に、これまで指摘されてこなかった、導入面接時のポイントや治療者の中立性(トレーニング)の問題、加えて対象者家族も含めたセッションの意義など今までとは違う観点が発見されたことは、MBOTの開発に意義深いものであると考えている。これらの結果により、臨床でMBOTを実施する上で、重要な示唆が得られており、より臨床活用の幅が広がったと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響があり、研究1(2019年度分)の進捗が遅れたこと、また研究3の臨床研究の準備が遅れていることによるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、リモートを積極的に活用し、感染対策を万全にすることを盛り込んだうえでの研究遂行を行う。追加の協力施設の交渉をし、対象者の確保に努める。
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Causes of Carryover |
研究遂行が遅れており、今年度実施計画が次年度に持ち越されたこと、特に協力機関への説明などの旅費交通費、学会や研修会の中止による研修が受けられなかったことによる研修費の持ち越しなどがあり、次年度にそれらが繰り越されたため使用が求められることとなった。
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