2020 Fiscal Year Annual Research Report
光音響イメージングによるdermal backflowの3次元ネットワーク解析
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19K19846
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大滝 真梨香 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80815978)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ液が皮膚浅層に向かって逆流することを示す画像所見「dermal backflow」を構成する微細なリンパ管の構造を3次元的に評価するために、リンパ浮腫患者を対象に蛍光リンパ造影と光超音波イメージングの撮影を行った。また、過去にリンパシンチグラフィ(以下シンチ)も撮影された患者については、その画像と光超音波画像との比較も行った。 蛍光リンパ造影でdermal backflowが広がる様子を確認してから光超音波イメージングの撮影を行ったところ、光超音波画像でdermal backflowと集合リンパ管が連絡している部位は、蛍光リンパ造影で早期にdermal backflowが出現した部位に一致していた。また蛍光リンパ造影で早期にパッチ状に広がっていくdermal backflowの領域は、光超音波画像では3次元的なネットワーク状のリンパ管の構造として観察された。この傾向はシンチとの比較でも同様であり、シンチの早期撮影(注射後5分)で描出されたdermal backflowは光超音波でも描出される傾向があったが、シンチの後期撮影(30分以降)で描出されたdermal backflowは、光超音波では描出されない傾向があった。 この理由について、従来の画像診断モダリティで得られたdermal backflowの所見は、毛細リンパ管~前集合リンパ管の内腔に存在する造影剤と、リンパ管から間質に漏出した造影剤の区別がつかないためと考えられた。一方、光超音波では間質に漏出したICGに対する感度が小さく、リンパ管の内腔に含まれるICGのみを描出するため、dermal backflowの3次元的な構造が明瞭に描出されやすいものと考えられた。
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