2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K19848
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
生友 聖子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 助教 (90515884)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 横隔膜 / 横隔神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床現場において、糖尿病患者の運動耐容能が低下することは広く知られている。これまで、運動耐容能低下の原因は、微小血管障害や骨格筋の代謝障害によるものだと考えられてきた。しかしながら、運動耐容能に影響する因子の1つである呼吸機能障害による影響については検討されてこなかった。そこで我々は、糖尿病性ニューロパチーによって、重要な呼吸筋の1つである横隔膜を支配している横隔神経が損傷している可能性に着目し解析を進めている。 現在までに、横隔神経運動ニューロンの逆光標識及び横隔膜の運動単位電位の電気生理学的解析、また、トルイジンブルー染色を用いた横隔神経軸索の形態学的解析から、横隔神経に何らかの損傷が生じている可能性を明らかにする。この結果は、糖尿病に関連して呼吸運動を制御するシステムに何らかの異常が生じている可能性を示唆していると考えられる。 これを明らかにするため、令和3年度は、令和2年度に続き、α-bungarotoxin、抗Neurofilament抗体、抗Synaptophysin抗体を用いた横隔神経の神経筋接合部の免疫組織化学染色を行った。令和2年度時点では対象数が不足していたため、対象数を増やすとともに、ImageJを用いて、染色されたACh受容体と神経終末の面積の定量化を行い、糖尿病群と対照群とで比較検証している。 また、抗c-Fos抗体を用いたニューロンの活動状態の把握を追加実験として検討しており、抗c-Fos抗体を用いた免疫染色の手法について予備実験を行い、染色手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID19の影響により全般的に実験計画に遅れが生じている。 実験計画の遂行にあたり他施設の設備(顕微鏡や実験機器等)の利用が必須だが、感染状況次第では行き来が難しい場合や滞在時間が制約される場合もあり、難渋している。令和2年度に比べれば令和3年度では制約は小さくなっており、また、自施設内で実施可能な実験範囲も拡大させたことで、環境は改善しつつあるが、これまでの遅れを取り戻すまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、α-bungarotoxin、抗Neurofilament抗体、抗Synaptophysin抗体を用いた免疫染色により神経筋接合部を染色し、神経筋接合部の状態の観察や定量的な解析を進めていく。また、c-Fos抗体を用いた追加実験の検討を進めるとともに、昨年度実施できなかった内外肋間筋や肺組織の形態学的解析、横隔膜の収縮特性についての電気生理学的な解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、実験計画が遅延し、購入予定であった機材や試薬等の購入が遅れている。また、新型コロナウイルス感染症に対応するため、自施設内の実験環境の整備を行っており、スターラーやシェイカー、遠心分離機、撹拌機などの染色手技の実施に必要な機材や、抗体類等の各種試薬類の追加購入を予定している。
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