2020 Fiscal Year Research-status Report
新たな画像技術を用いた褥婦の体幹筋損傷、体幹筋機能回復過程の解明
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19K19849
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
成田 崇矢 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 教授 (70515577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊婦 / 産褥婦 / 体幹筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①産後の体幹筋損傷(腹直筋離開)の実態と体幹筋機能の関係性、②産後の体幹筋損傷、体幹筋機能の回復過程、③体幹筋損傷と体幹筋機能と腰痛、不定愁訴(体幹の不安定性)との関係を従来の形態特性との相互作用を含めて明らかにし、産後に社会復帰する時期の決定や腰痛予防法考案に役立てることである。 これまで妊娠期、産後1か月、3か月、6か月の体幹筋損傷の状況(腹直筋離開、筋硬度)は、腹直筋離開は産後3か月で回復している者が多く、筋硬度は回復が遅く6か月の時点で回復していることが分かった。また、腹直筋離開を改善する方法として、ドローイン、頭部挙上が有効であると報告されているが、実際は被検者により様々であり、また、妊娠期と産後で有効な運動が変化することも明らかになった。 腹斜筋群と腹横筋の間に滑走障害が存在すると、腹直筋離開が大きくなり傾向があり、被検者を増やすことで明らかになる可能性がある。 妊娠期から継続測定が可能であった6名全てが、妊娠中より産後1か月の状態の方が、構造学的な問題(腹直筋離開)があるにも関わらず、機能向上していた(ASLR)。緊急事態宣言等により継続計測が難しい状況であるが、被検者を増やすことにより、機能低下が継続する者の特徴を捉えられる可能性が示唆された。 今回の被検者は、産後も腰痛が継続する者が少ない。本研究の被検者は、妊娠前より運動習慣がある者が多く、運動が妊娠中や産後の腰痛に有効な可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年は、当初、計画に無かった妊娠期も測定に加え、新たな研究プロトコールは確立出来た。 課題1:産後体幹筋損傷と体幹機能機能・形態・材質特性の関連性(横断評価)に関しては、予定される40名のうち20名が終了し、順調に推移している。 課題2:産後の体幹筋形態及び体幹筋機能の経時的変化(縦断評価) 当初の予定では、産褥婦の産後1か月、3か月、6か月のプロトコールを作成したが、妊娠中も測定できる人が多く、妊娠中、産後1,3,6か月にプロトコールを変更し、測定を行ってきた。繰り返される緊急事態宣言により、再測定が出来ず、縦断評価が出来ているものが少ないが6月より再測定を始める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
6月より新たに妊婦のリクルート(日本母子健康運動協会の協力の下)を行い、再測定をスタートする予定である。 当初の予定では、産褥婦の産後1か月、3か月、6か月のプロトコールを作成したが、妊娠中も測定できる人が多く、妊娠中、産後1,3,6か月にプロトコールを変更し、測定を行っている。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、①予定していた学会参加が出来なかったこと(コロナのため)、②度重なる緊急事態宣言により、縦断研究が継続出来なかったことにより、検者謝金、被検者謝金を計上しなかった。その分、令和3年度に学会参加、検者、被検者謝金、論文校閲費等を計上する予定である。
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