2022 Fiscal Year Research-status Report
神経筋電気刺激療法がオートファジーに及ぼす影響とICU-AW抑制効果
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19K19852
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
飯田 有輝 藤田医科大学, 医学部, 客員講師 (80808741)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / 末梢血単核細胞 / ICU-acquired weakness / 人工呼吸患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
集中治療室(ICU)で48時間以上人工呼吸管理を受けた成人の重症患者16名[年齢74歳(中央値)、男性12名]を対象とし、対象をICU退室時におけるICU-acquired weakness(ICU-AW)合併群と非合併群に分けた。2群間で、年齢、性別、身長・体重・BMI、APACHEⅡscore、SOFA最大値、血液データ、顆粒球上のオートファジー発現、筋力(MRC)を比較検討した。顆粒球上のオートファジーは、人工呼吸開始48時間後(早期)と7日後および ICU 退室日のどちらか早い方(晩期)において、動脈血から単核細胞を分離し、試薬DAPGreen を用いて染色後、フローサイトメトリーにてオートファジーの発現を検出した。ICU-AW の有無は ICU 退室時に MRC スコアを用いて判定した。統計的手法として患者情報には Mann-Whitney U Test 及びカイ二乗検定を用いた。オートファジーの発現は蛍光スペクトル により分析した。結果としてICU-AW は16例中5例に合併した。群間では、ICU-AW 合併例で男性が多かったが、その他の指標に統計学的な差は認めなかった。フローサイトメトリーでの定量解析では、ICU-AW 非合併例全てにおいて顆粒球上のオートファジーの発現が早期で増大しその後7日目で低下していたが、ICU-AW 合併例5例中3例はオートファジーの発現が 早期で増加せず、晩期で活性を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大によリICUでの臨床研究活動に制限が生じたため、被検者リクルートが滞った。本来の対象者数に満たない状態での検討であり、また電気刺激装置の介入にも影響が出たため、この装置による効果判定は難しいものとなった。さらに、共同研究者の予期せぬ異動が伴ったため、研究遂行は縮小せざるを得ない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し現在の被検者数での解析を進める。 ICU-AW合併例と非合併例でのオートファジーの活動に相違があることは新規性があり、この結果について報告を進めていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大により研究遂行が制限され当該年度の使用額は0であった。次年度は研究成果の公開に向けて効果検証と論文作成に使用していく。
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