2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K19854
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
横山 真吾 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (30706859)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体外衝撃波治療 / 廃用性筋萎縮 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
廃用性筋萎縮は我が国にリハビリテーション医療が導入された時期から問題となっている機能障害であるが、その効果的な対抗策は未だ確立していない。体外衝撃波治療(ESWT)は泌尿器科領域で古くから活用されてきた治療法であるが、近年、骨格筋の成長に関与する筋衛星細胞の活性化に関与することが報告され、リハビリテーション分野への応用が注目されている。本研究の目的はマウス廃用性筋萎縮モデルを用いて、廃用性筋萎縮の対抗策としてESWTが有効であることを明らかにし、組織学的・生化学的・分子生物学的解析によってESWTを用いた新規骨格筋治療法を確立するための基礎資料を得ることである。 2022年度はESWTによる廃用性筋萎縮の回復促進効果に関する検討を行った。実験動物はC56BL/6J雄生マウスとし、足関節を固定するのみの群(Im群)、固定後に通常飼育する過程でESWTを実施する群(Im+ESWT群)とESWTの擬似操作を実施する群(Im+Sham群)に振り分けた。固定期間は2週間とし、非伸縮性のテープを用いて足関節最大底屈位で固定してヒラメ筋に廃用性筋萎縮を惹起した。ESWTの方法は麻酔下にて下腿後面を剃毛した後、ジェルを塗布し最大膨隆部に対し、出力強度:1bar、周波数:10Hz、ショット数:2000発で実施した。刺激頻度は3回/週とし、体重と皮膚の状態をモニタリングしながら1週間実施した。実験期間終了後に両群のヒラメ筋を摘出し筋湿重量を比較した結果、Im群と比較してIm+Sham群とIm+ESWT群で有意に高値を示した。また、Im+Sham群とIm+ESWT群を比較すると、Im+ESWT群で有意に高値を示した。以上より、ESWTには廃用性筋萎縮からの回復を促進するはたらきがある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は2019年から2021年の3年計画で実施する予定であったが、2年目である2020年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う業務変更により十分に研究時間を確保することができなかった。2021年度から2022年度にかけては一定の成果を得ることができたが、本来の目的である治療メカニズムの検討が不十分であるためもう1年延長して研究を継続することにした。そのため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の成果によりESWTには廃用性筋萎縮からの回復を促進するはたらきがある可能性が明らかになった。今後は組織学的・生化学的解析によりESWTによる廃用性筋萎縮からの回復促進メカニズムの検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は実験モデルの作製に時間がかかってしまいメカニズムの検討まで至らなかった。2023年度は摘出した組織に対して組織学的・生化学的解析を実施し、ESWTによる廃用性筋萎縮からの回復促進メカニズムを明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)