2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K19865
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 伊織 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (70792266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CFRP / 歩行支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,新型コロナウイルスの蔓延に伴い,前年度より期間延長して実施している.特に,本研究課題はヒトを対象とした研究であるため,未だに実験が実施しづらい状況が続いている.上長のネットワークを通じて数人の学生を被験者とすることができたが,当初予定していた人数には足りないため,来年度に再延長させていただいた. ・歩行時の筋使用量評価 作製した歩行支援装具を着用した状態で,トレッドミルを用いた歩行試験を実施した.筋使用量は,計測した筋電の値によって評価した.また,主観評価として修正Borgスケールを用いた評価法を導入した.炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は数種類の厚さを用意し,その影響を調査した.被験者は実験前に装具の歩行支援原理について学ぶとともに,これを装着した状態での運動に慣れてもらった.トレッドミルの速度を4.5 km/hとして5分間の歩行動作を行い,最後の2分間を評価区間とした. 概ね,厚さ3~4 mm程度のCFRPを用いた際に筋使用量の減少が確認できた.厚いCFRPほど反発力(復元力)が強い一方で,屈曲させること自体が負荷となる可能性がある.薄いCFRPは屈曲させやすいが得られる反発力が小さく,装具装着による負荷を補填しきれない可能性がある.なお,至適CFRP厚さは存在するはずであるが,装着者の体重や筋肉量によって決定されると考えるのが妥当である.今回の被験者群は体格差が小さかったため一定の傾向を見て取ることができたが,十分な数の被験者を得ることができれば,BMIや下肢最大囲等の値でグループ分けをする必要があると考えている. また,ご縁があり,パワーリフティングの日本記録保持者である渋谷優輝さんご夫妻に使用感等を伺う機会があった.直進は問題なく,アシストを感じて歩くことができる一方で,内旋・外旋がしづらく,慣れが必要とのアドバイスを頂くことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り,コロナの影響もあり,被験者が集まりづらくなっている.これは,そもそも登校していない学生も多いこと,また,筋電計の取り付け等が必要で,荷物の持ち上げや歩行試験が必要といったことが原因となっていると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度より異動となり,法政大学に研究拠点を移した.いくつかの授業を受け持つことになったため,今まで以上に多くの学生と交流が持て,被験者の確保に繋がると期待している.予算として計上している被験者人数は残り数人ではあるが,上述の通り対象とする群は多いに越したことはないため,なるべく多くの被験者を募るつもりである.
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Causes of Carryover |
本研究課題はヒトを対象とした研究であるため,未だに実験が実施しづらい状況が続いている.上長のネットワークを通じて数人の学生を被験者とすることができたが,当初予定していた人数には足りないため,来年度に再延長させていただいた.
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