2020 Fiscal Year Annual Research Report
リズム聴覚刺激による歩行学習の促進・保続効果と神経生理学的背景の解明
Project/Area Number |
19K19866
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北谷 亮輔 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70805811)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リズム聴覚刺激 / 歩行学習 / 歩行適応 / リハビリテーション / 保続効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は歩行の学習効果を促進し、日内・後日の保続効果を向上させる目的で、歩行対称性の改善にエビデンスのあるリズム聴覚刺激に着目し、リズム聴覚刺激を用いた歩行学習の促進効果を神経生理学的背景とともに明らかにすることを目的とした。昨年度実施したリズム聴覚刺激を用いた歩行学習方法による歩行学習の促進効果を直後の即時効果による検討とともに、本年度は日内の保続効果を中心に測定し、測定を終了後に解析を行った。歩行学習条件は、歩行学習課題10分間をリズム聴覚刺激有り・無しの2条件、学習時間を短縮した歩行学習課題5分間のリズム聴覚刺激有り・無しの2条件の計4条件を実施し、歩行学習課題前後に通常歩行を5分ずつ行った。また、歩行学習課題後5分間の通常歩行後に、再度歩行学習課題を5分間実施した。まず、リズム聴覚刺激により最も効果が得られると予想されていた時間的指標である遊脚時間対称性に関して、リズム聴覚刺激を用いることで通常歩行学習課題よりも有意に直後の即時効果とともに保続効果が大きくなる結果が得られた。さらに、リズム聴覚刺激を用いることで5分間に学習時間を短縮した状態でも10分間の学習時間と同程度に即時効果と保続効果が得られた。また、空間的指標である歩幅対称性においても同様の結果が得られた。これらのことから、リズム聴覚刺激をフィードバック方法として歩行学習課題中に用いることで歩行学習効果は促進され、学習課題時間を短縮することが可能なだけでなく、日内の保続効果も促進されることから、リハビリテーション手法として持続効果が期待出来ることが示唆された。現在、左右下肢筋から測定した表面筋電図による筋活動量や筋電図間コヒーレンスを解析しており、今後歩行学習効果が促進された神経生理学的背景に関して詳細に解明する予定である。
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