2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment a new strategy for attenuating arthrogenic muscle
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19K19868
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小田 翔太 高知大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (60795053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 痛み / 関節因性筋抑制 / 運動イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
痛みによって引き起こされる筋力低下は末梢・中枢神経系の機能変化が関与した関節因性筋抑制(Arthrogenic muscle inhibition: AMI)として説明されている。このAMIは種々の関節痛疾患のリハビリテーションにおいて考慮すべき病態であるが、その対応策は未だ確立していない。本研究の目的は、視覚入力を用いた運動イメージのAMIに対する有効性をヒト実験痛モデルを用いて検証することである。健常成人10名を対象に痛みを誘発する高張食塩水を片側足関節のKager’s fat padに持続投与し、NRS 4程度の痛みが持続するモデルを作成し、その状態で等尺性足関節底屈筋力とヒラメ筋筋活動量を測定した。介入として自身の足関節底背屈運動を撮影した映像を被験者に提示し、3分間実際の運動は行わずイメージのみを行わせ、痛みを誘発した状態での介入(運動イメージ)前後で筋力および筋活動量を比較した。痛みによって筋力は痛みを引き起こす前と比べて約60%、筋活動量は約55%低下した。運動イメージ実施後では被験者が感じる痛みの程度に変化はないにも関わらず、筋力は介入後に約15%改善を認めたが、統計学的に有意な改善には至らなかった。しかし筋活動量は約25%有意に改善した。つまり運動イメージによって、筋力自体の有意な改善は得られなかったが、神経筋活動の指標である筋活動量は効果的に賦活できることが示された。本介入は特殊な機器は必要とせず、どこでも簡単に行う事ができる点が最大のメリットであり、痛み存在下におけるトレーニング効果を高める有効な手段としてAMIに対する治療法の一助になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた初年度の計画は問題なく完了した。次年度の研究についても開始できており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得られている結果を基に、実際に痛みを有する高齢者(変形性膝関節症患者)に対して運動イメージを用いた運動療法の効果を検討していく。
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Causes of Carryover |
筋力測定のための機器を現在では当施設で使用しているもので研究を実施していたが、今後は新たな指標を入れるべく筋力測定機器の購入を検討しているため。
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