2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of an effective preventive strategy of chronic pain for community-dwelling older adults
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19K19869
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
平瀬 達哉 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20592752)
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Project Period (FY) |
2020-03-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 慢性疼痛 / 予防 / 介入戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,慢性疼痛を発生していない地域在住高齢者に対する身体活動量の向上を図る介入プログラムを開発し,疼痛の新規発生を長期的に予防するか否かについてランダム化比較対照試験で検証することを目的としている.具体的には,研究対象者を運動教室への参加に加え,身体活動量の向上を図る介入群,運動教室のみに参加する対照群にランダムに振り分け,2群間での介入効果の違いを検討する. 2022年度は,2クール目の研究対象者に対して6ヵ月間の運動教室が完遂し,最終評価を実施した.ベースライン時に慢性疼痛を発生していなかった介入群20名,対照群19名を対象に教室終了時の疼痛の新規発生率について2群間で比較した結果,介入群では対照群に比べその発生率が有意に低値を示した.また,認知機能の指標である情報処理速度(数字符号置換検査)において介入群のみ介入前よりも有意に改善していた.さらに,身体活動量(歩数,運動強度別活動時間)において介入群のみ介入前よりも有意に改善し,介入後の対照群の値より有意に高値を示した.以上の結果より,地域在住高齢者に対する身体活動量の向上を図る介入プログラムは疼痛の新規発生を予防するだけでなく,認知機能や身体活動量も改善する介入戦略として有効である可能性が示唆されている. さらに,2022年度は1クール目の研究対象者に対して運動教室終了1年後に追跡調査を行い,本プログラムの長期的な効果についても検証した.その結果,運動機能は両群ともに改善効果を維持できていたものの,身体活動量と疼痛の新規発生率には2群間で有意差を認めていなかった.以上のことより,本プログラムは長期的な運動機能に対する改善効果は認めるものの,身体活動量に対する改善効果や疼痛の新規発生に対する予防効果は認めない可能性が示唆されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく当初の計画通りに研究を進行することができている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(2023年度)は,2クール目の研究対象者に対して運動教室終了1年後の追跡調査を行い,全クールの対象者に対するデータ収集作業が完了する予定である.そして,得られたデータを解析し本研究の成果を公表する予定である.
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Causes of Carryover |
COVID-19流行に伴い,学会旅費に計上していた予算を当初の計画通りに使用することができなかった。最終年度は対面形式での学会に積極的に参加し、研究成果を報告するとともに意見交換を行う予定である。
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Research Products
(4 results)