2019 Fiscal Year Research-status Report
プラトーに達した運動スキルを改善させる運動イメージ想起法の開発とその機序の解明
Project/Area Number |
19K19873
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
青山 敏之 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (30516571)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動イメージ想起 / 運動観察 / 運動スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
運動イメージ想起を繰り返し行うことによって,運動スキルが高まることが明らかにされている。さらに,運動を観察しながら運動イメージ想起を行うと更にその効果が高まる。本研究では,観察する運動スキルの難易度を適切に調整した状況下で運動イメージ想起を行うことで,プラトーに達した運動スキルがさらに改善するかどうかを明らかにすることを目的とした。 研究対象者は,対照群と,異なる3段階の難易度の運動スキルが提示された動画を観察する3群の合計4群に割り付けられた。特定の運動課題を運動スキルがプラトーに近い段階に到達するまで学習後,運動観察下での運動イメージ想起を用いたトレーニングを各群ごとの難易度にて実施した。 結果として,観察する運動スキルが本人の運動スキルと比較してやや高い場合に,運動イメージ想起によって得られる運動スキルの改善効果が最も高かった。一方で,観察する動画の難易度が最も低い群と,最も高い群では対照群と比較した有意な運動スキルの改善は認められなかった。したがって,本人の運動スキルよりもやや高い難易度の運動を観察しながら,運動イメージ想起を行う方法は,プラトーに達した運動スキルを更に高める効果が期待できることから,リハビリテーションやスポーツのトレーニングにおいて有用な可能性がある。この神経生理学的背景は不明であるため今後は電気生理学的指標を用いた評価を行うとともに,経頭蓋直流電気刺激等の非侵襲的脳刺激法を併用した効果の検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,介入法の相違による運動パフォーマンス面での変化を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,介入による運動パフォーマンス面での改善の背景に存在する神経生理学的メカニズムを検証するために,経頭蓋磁気刺激等の手法を用いた調査を行う。
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Causes of Carryover |
購入物品に変更が生じたため使用金額が変更になった。 来年度は論文の公表が増えるため,英文校正費用や論文掲載料への使用に充てる予定である。
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