2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者における手の心的回転課題の臨床応用に関する研究
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19K19885
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
原田 祐輔 杏林大学, 保健学部, 講師 (60611001)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心的回転 / 脳卒中 / 運動イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,脳卒中患者の手の心的回転課題(HMRT:運動イメージ)と機能障害(運動麻痺・感覚障害・認知機能障害),能力低下(日常生活活動の制限)の関係性を明らかにすることにより,脳卒中患者のHMRTにおける適応基準や効果判定基準の構築に向けた基礎的な知見を得ることを目的としている. HMRTは,画面上に呈示された手の写真が「ひだり手」か「みぎ手」かを判断する課題である.この課題では,指尖が身体の中心側を向く手写真(呈示された手に実際に手を合わせる場合,動かしやすい角度;Medial)への応答時間が,身体の外側を向く手写真(呈示された手に実際に手を合わせる場合,動かしにくい角度;Lateral)の応答時間よりも短くなるという特徴的なRTプロフィール(ML効果)がみられることから,課題遂行時に被検者の運動イメージが誘発されると考えられている.
2023年度の研究では,脳卒中患者に対して2回(発症後1か月,3か月)計測したデータを解析し,その経時的変化について確認した.解析結果は,HMRTの正答率と応答時間は1か月と3か月において有意な差は見られなかった.個々の応答状況を見てみると,1か月時点でのひだり手写真は全員がMedialの応答時間が短かったが,みぎ手写真は8割の者がMedialの応答時間が短かった。3か月時点では,ひだり手写真は6割の者がMedialの応答時間が短かく,みぎ手写真は8割の者がMedialの応答時間が短かった. 参加者の1か月時点と3か月時点の遂行能力にはばらつきがあり,人によってはML効果が見られずに,運動イメージを用いていない可能性が考えられた.この課題を脳卒中患者の運動イメージ訓練や評価として応用するためには,被検者の適応基準を明確にする必要がある.
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