2019 Fiscal Year Research-status Report
Association of activity changes in the motor cortex and lower motor neuron with anti-spastic effect of the vibratory stimulation
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19K19892
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
野間 知一 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (10535793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 振動刺激 / 筋緊張測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、振動刺激の痙縮抑制メカニズムに大脳皮質の変化と脊髄の変化、およびその相互作用が寄与すると着目している。3年間の研究期間に様々な振動刺激条件での中枢神経への影響を大脳皮質と脊髄の両面でとらえられる実験装置を作成し、健常者および痙縮患者を対象に検証する計画である。 2019年度は、実験装置の作成とその安全性の検証に着手する予定であった。実験装置の作成は民間の作成会社数社に相談し設計作成技術の高さや見積もり価格から東京に本社を持つ企業に決定し契約ののち設計打ち合わせを重ねた。実験装置に取り入れる機能は、①筋緊張の張力をリアルタイムに測定する機能や②市販の様々なバイブレーターを掴み適切に前腕や手掌にあてる機能、③測定者の手の大きさに合わせてワンタッチで調整可能でさらに固定した後は決して外れない安全機能、④手首を任意の角度で止める機能などを取り入れることに成功した。時間的な経過は複数回の打ち合わせを重ねおおよその設計が決まるまでに2019年12月まで要した。正式な見積もり額が予算計上した金額を超えたため削減できる機能や部品の工夫などの打ち合わせに1ヶ月程度かかり、機材の納品は2020年3月上旬であった。納品後確認した機材の機能は十分なものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、実験装置の作成とその安全性の検証に着手する予定であった。最終的に申請者の希望を十分に実現した実験装置が作成できたが、作成を依頼した企業が遠隔地にあり遠隔会議を利用した画面越しのコミュニケーションということもあり困難さから設計に時間を要した。実験装置の納品が3月になり短期間で行う予定であった安全性の検証は新型コロナ感染症の学内の実験施設使用制限ならびに協力者の確保困難から実施できなかった。ただしこの遅れは1ヶ月程度で実現できた行程でありおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在も新型コロナ感染症の学内の対策のため実験は行えていない。研究施設での研究活動が再開できた際は速やかに安全性の検証を行い、確認後に健常者を対象とした実験に進む。本学の倫理委員会の承認を得て内容は健常者(n=15)を対象に、振動刺激のパラメーターや刺激方法の違いが中枢神経へ与える影響を明らかにし痙縮抑制に寄与する可能性の刺激方法を検証する。研究デザイン:within-subject design(対象者に複数の実験条件をランダムな順番で行う) 脊髄レベルの興奮水準は電気生理学的評価(F波)を用いて、大脳皮質の興奮水準はfNIRSを用いて経時的に測定する予定である。
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Causes of Carryover |
実験装置制作会社が遠隔地になることが予想されたため打ち合わせに旅費を予算計上していたが、先方から遠隔会議を提案され申請者が直接赴く回数が減ったことで次年度使用額が生じた。この次年度仕様額は実験装置では各種のバイブレータを安全に取り付ける部品が必要になっており、そのほか実験に必要な物品費にあてる。
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