2023 Fiscal Year Annual Research Report
Association of activity changes in the motor cortex and lower motor neuron with anti-spastic effect of the vibratory stimulation
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19K19892
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
野間 知一 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (10535793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 振動刺激 / 筋緊張測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に実験装置の作成が完了したが、その後の新型コロナ感染症の影響で研究の進捗は大幅に遅れた。2023年度も医療機関では新型コロナ感染症の対応は続き医療機関での検証には困難さが継続した。この間に海外の他の研究グループから振動刺激の方法に関して多くの報告がなされたが筋の伸張の有無の影響は未報告であった。2023年度は健常者を対象に予備的研究として振動刺激時の筋の伸張の有無が与える影響に絞り検証を進めた。健常者を対象に開発した振動刺激装置兼筋力測定装置を使用して運動機能の変化と脊髄レベルの興奮水準、大脳皮質レベルの興奮水準を測定した。運動機能は手関節屈伸筋力を指標に脊髄の興奮水準は振動刺激を与えられる筋の一つである短母指外転筋で導出したF波を指標に大脳皮質の興奮水準はfNIRSを指標にした。評価手順は、2種類の条件の振動刺激の前後で筋力およびF波、fNIRSをそれぞれ別日に測定した。条件1は手関節屈伸の中間位(通常の筋長)とし、条件2は手関節伸展位(手関節屈筋伸長位)とした。結果は、振動刺激前後の差(変化量)の平均値でみると条件1、2ともに刺激筋である手関節屈筋筋力と拮抗筋となる手関節伸筋筋力をそれぞれ増加させ、脊髄の興奮性を概ね抑制し、大脳皮質の興奮性を増加させた。ただし筋力・脊髄の興奮性・大脳皮質の興奮性において変化の向き(抑制または増加)が対象者で共通するものはなく、多様な結果が示された。過去に報告した脳卒中片麻痺患者へは筋を伸長しながら刺激する条件2の方法の効果が高いと仮説を立てていたが、大脳皮質への影響は条件1の刺激の方が高かった。今回の予備的研究の結果から振動刺激の効果発現メカニズムの仮説や条件1と比較した条件2の優越性の根拠は確認できなかった。今後は開発した実験装置を使用しながら脊髄や大脳皮質の評価方法を変更するなど解明の可能性を高める努力を継続したい。
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Research Products
(1 results)